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人生変わる!AIエージェントClaude Codeの力を120%引き出す極意8選

松原 太一

Claude Code、使っていますか?もしまだなら、開発効率を大幅に向上させる機会を逃しています。これは単なるAIアシスタントではなく、開発スピードを50倍以上に押し上げる革命的なツールです。

この記事では、Claude Codeを研究開発のために使い込んでいる筆者が、試行錯誤の末に見つけたヒントを紹介します。プロンプトのテンプレートも公開するので、カスタマイズしてぜひ使ってみてください!

Claude Codeとは何か?

Claude Codeは、Anthropic社が2024年10月にリリースしたAI支援開発ツールです。従来のAIアシスタントとは一線を画す、本格的なAIエージェントとして設計されています。

使用可能な環境と課金形態

Claude Codeは以下の環境で利用可能です。

  • macOS
  • Windows
  • Ubuntu

また、有料で利用するにはいろいろな課金形態があります。多くの開発者にとって、この投資は間違いなく元が取れる価値があります。

  • サブスクリプションプラン:Pro(20ドル/月)/ Max(100ドル/月:著者はこれ)/ Max(200ドル/月)/Team(30ドル/月)/Enterprise
  • またはトークンごとの従量課金制

Claude Codeのココがすごい!3つの能力

Claude Codeが他のAIツールと一線を画す理由は、以下の3つの核心的能力にあります。

1. プロジェクトの文脈を自律的に探索して理解する能力

従来のAIツールは、与えられた情報の範囲内でしか動作しませんでした。しかし、Claude Codeは違います。

プロジェクト全体のディレクトリ構造を理解し、関連するファイルを自発的に探索します。コードベースの依存関係や設計パターンを把握し、あなたのプロジェクトに最適化された回答を提供するのです。

2. 目標の達成のために、ToDoリストを作成し、継続する自律性

これは本当に驚異的な機能です。複雑なタスクを与えると、Claude Codeは以下のような、まさに自律的なAIエージェントとしての能力を発揮します。

  • 自発的にToDoリストを作成
  • 各タスクの進捗を管理
  • 失敗しても別のアプローチを試行
  • 最終的に目標を達成するまで粘り強く継続

3. 圧倒的にパワフルなコーディング性能

Claude 4をベースとした高度なコーディング能力により、複雑なアルゴリズムやアーキテクチャーパターンも正確に実装できます。これらのモデルのパワフルさについては、リープリーパーの別記事で説明したので、ぜひ合わせてお読みください。

Claude Codeの活用の心構え「目標設定に集中する」

8つの個別の極意の前に、ここが最も重要なポイントです。Claude Codeは目標・目的が明確に与えられれば、それらを達成するために粘り強く、途中で何度も失敗しても解決しようと動き、最終的に解決します。

つまり、開発者が意識すべきは解像度の高い、洗練された目標設計なのです。

従来の開発では「How(どのように)」に多くの時間を費やしていましたが、Claude Codeの時代では「What(何を)」の設計により集中できるようになりました。これは開発パラダイムの根本的な転換です。

極意1:知的財産であるプロンプトは必ずファイルで残せ

さて、ここからは私が編み出した8つの極意を順番に紹介していきましょう。最初の極意は、プロンプトを知的財産として扱うことです。

保存価値が高いのはソースコードよりプロンプト

これは意外に思われるかもしれませんが、AI技術の急速な発展を考えると理にかなっています。モデルの性能は伸びるので、今日書いたプロンプトは、さらに高性能なモデルが登場した時により良い結果を生み出すでしょう。

プロンプト自体が、そのプロジェクトに関するドメイン知識を形成

プロンプトには以下の貴重な情報が含まれています。

  • コード間の依存関係
  • 実装時の思考プロセス
  • 技術的な制約や要件
  • 開発過程での学習内容

プロンプトのリサイクル

保存しておくメリットは、似た依頼をするときに過去のプロンプトを再利用できることです。筆者はこれを「プロンプトのリサイクル」と呼んでいます。

逆に、プロンプトを残さないで実装した場合は、以下のような状況に陥りがちです。これは開発効率を大幅に低下させます。

  • 「この実装、なぜ作られたんだっけ?」
  • 「今、どこまで終わっているんだっけ?」

極意2:プロジェクト開発の作業は並列処理を意識せよ

この極意は、Claude Codeの真の力を引き出す鍵となります。

開発者の仕事は、主にプロンプトを書く作業へ移行

従来の開発スタイルから、タスク自体の要件定義に重点を置いたスタイルへの転換が必要です。

並列開発のワークフロー

作業は、以下のような流れで進めることになります。

  1. 複数ターミナルを立ち上げる(作業の数だけ)
  2. ローカルに要件定義をマークダウンで保存(または自然言語で作成)
  3. プロンプトの場所を指定してClaude Codeに開発を依頼
  4. 自律的に作業が進行

驚異的な開発スピードの実現

一つの実装作業がClaude Codeで実行されている間に、別のプロジェクトのタスクを要件定義する。実装が終わった頃にはその定義をClaude Codeに投げる、という並列処理ができます。

これまで、できるけど時間的な制約で進められなかった作業も推進できるため、開発スピードが驚異的に向上します。

極意3:プロンプトは必ずテンプレート化すべし

プロンプトをテンプレート化することで、一貫性と効率性を両立できます。

テンプレート化のメリット

  • 再利用性の向上
  • 品質の統一
  • 作業時間の短縮
  • 知見の蓄積

実際のプロンプトテンプレート例

以下は、筆者が実際に使用しているプロンプトテンプレートの構造です(マークダウン形式おすすめ)。

## Request.1

### Workflow / 作業手順
- [ ] set mode to **Thinking / 思考モード**, **Language / 使用言語**
- [ ] read **Request / 依頼・要件**
- [ ] read **Prior Information / 事前情報**
- [ ] conduct **Context Analysis / コンテキスト分析**
- [ ] check **Technical Requirements / 技術要件**, **Output Format / 出力形式**, **Notes / 補足事項** totally
- [ ] plan implementation approach and write it to md format into **Work space / 要件定義を保存するワークスペース**
- [ ] offer me check your plan
- [ ] execute implementation based on plan / todo
- [ ] test implementation
- [ ] verify functionality meets requirements
- [ ] offer me examples of execution command

### Requirements / 依頼・要件
- [ ] 作業の目的と最終成果物を明確に記述

### Prior Information / 事前情報
- [ ] <!-- 関連するファイルパス、ディレクトリ、ドキュメントを記載 -->

### Context Analysis / コンテキスト分析
- [ ] existing codebase structure and conventions
- [ ] dependencies and libraries used
- [ ] coding standards and patterns to follow

### Work space / 要件定義を保存するワークスペース
- [ ] 要件定義の保存の際は、Wikilink(ウィキリンク)形式で、このmd自身とリンクをrelated_notes上に作成する。

### Technical Requirements / 技術要件
- [ ] <!-- programming language and version -->

### Quality Assurance / 品質保証
- [ ] code review checklist
- [ ] testing requirements
- [ ] error handling considerations
- [ ] some logger points must be setted for making debugs effective, detecting latent computational bottklenecks

### Thinking / 思考モード
- [ ] <"ultrathink">

### Language / 使用言語
- [ ] Japanese

### Output Format / 出力形式
- [ ]

### Notes / 補足事項
- [ ]

---

`Note : this prompt template is designed for interactive prompting (first ; ## Request.1 , second ; ## Request.2  and more...).  please ignore the following context unless otherwise specifically mentioned.`

## Request.2

### Workflow / 作業手順

.....

このプロンプトテンプレートの設計思想

このテンプレートの核心は、無知のAIに、開発中のプロジェクトに関する情報を提供して、よりドメイン知識を持ったAIに育てる過程を大事にしていることです。筆者はこれを「AIによる理解のアラインメント」と呼んでいます。

特に ”Workflow / 作業手順” セクションの設定により、明示的に作業プロセスを設定してAIを調教していきます。

重要なのは、可能な限り解空間を絞ることです。AIが無限の可能性から最適解を見つけるのではなく、プロジェクトの制約や要件を明確に示すことで、より精度の高い回答を得られます。

Al Coding Agent Enablement in TypeScript ~エージェントを自走させよう~ – TSKaigi 2025  – Speaker Deck

AIエージェントとの対話はマークダウン(md)がおすすめ

AIエージェントとの対話は、マークダウン(md)フォーマットがおすすめです。なぜかというと、文章構造(headingなど)を整理しやすく、AIがより正確に情報を読みやすく理解しやすいフォーマットだからです。普通の自然言語文章だと、構造化が難しいのでおすすめしません。

筆者が多用するのは、Todoリスト(チェックボックス)で、ほぼこれで全部書いています。

極意4:思考過程を詳細に表示するultrathinkモードを使うべし

ultrathinkトリガーの使い方と仕組み

Claude Codeには、思考過程を詳細に表示するultrathinkモードがあります。使用方法は簡単で、プロンプトに `<“ultrathink”>` を含めるだけです。

なぜultrathinkモードを推奨するのか

  • コンテキスト(文脈)の探索制限量が開放されて、よりパフォーマンス向上する
  • デバッグが容易になる
  • 学習効果が高い
  • 複雑な問題の解決により適している

複雑な開発タスクでは、AIがどのような思考プロセスを経て解決策にたどり着いたかを理解することが、今後の開発にも役立ちます。

極意5:Claude.mdは必ず活用せよ

Claude.mdの役割と重要性

Claude.mdは、Claude Codeとの共通言語として機能します。これは単なる設定ファイルではなく、プロジェクトの文脈をAIと共有するための重要なツールです。

また、Claude.mdの適切な設定により、AIは初回のやり取りからプロジェクトの文脈を理解し、より精度の高い目標達成が可能です。

  • プロジェクト固有の文脈を提供
  • コーディング規約の共有
  • アーキテクチャパターンの明示
  • 繰り返し説明を避ける

Claude.mdの設定例

# プロジェクト概要
このプロジェクトは、バイオインフォマティクス解析のためのWebアプリケーションです。

# 技術スタック
- Frontend: React + TypeScript
- Backend: FastAPI + Python
- Database: PostgreSQL
- Container: Docker

# コーディング規約
- TypeScriptの厳格な型チェックを使用
- 関数型プログラミングを優先
- テストファーストアプローチを採用

# デバッグファイル保存場所
テスト用ファイルは `/debug/` ディレクトリに保存してください。

設計に関するノウハウは、これらの記事が参考になります。

▼Claude Codeに保守しやすいコードを書いてもらうための事前準備やガードレール – くらげになりたい。
https://www.memory-lovers.blog/entry/2025/06/12/074355

▼Claude Code の CLAUDE.mdは設定した方がいい – じゃあ、おうちで学べる
https://syu-m-5151.hatenablog.com/entry/2025/06/06/190847

極意6:Claude Codeの忘却問題を回避せよ

忘却問題とは

Claude Codeは素晴らしいツールですが、長時間の対話において設定したルールや制約を忘れてしまう問題があります。通常、3〜4回のやり取りで重要な指示を忘れ始めます。

この問題に解決策を示した、以下のブログは必ず確認してください。

忘却問題の解決策:AI運用5原則

この問題を解決するために、筆者は以下の「AI運用5原則」を活用しています。

この原則を運用してみたところ、忘却問題がかなり回避され、開発のストレスが大幅に減少しました。特に、第5原則の「再帰的な自己強化」機能により、長時間の対話でも一貫した動作を維持できるようになりました。

第1原則:AIはファイル生成・更新・プログラム実行前に必ず自身の作業計画を報告し、y/nでユーザー確認を取る

第2原則:AIは迂回や別アプローチを勝手に取らず、最初の計画が失敗したら次の計画の確認を取る

第3原則:AIはツールであり決定権は常にユーザーにある

第4原則:AIはこれらのルールを歪曲・解釈変更してはならない

第5原則:AIは全てのチャットの冒頭にこの5原則を必ず出力する

極意7:Claude Codeのデバッグスクリプトの作成場所は指定しておけ

デバッグ作業中のファイル散乱問題

Claude Codeは実装中のロジックにエラーが起きた場合、それをデバッグし、解決するためにいくつかの副次的なテストコードを自動で作成します。

デバッグ作業が難航すると、いくつものテストコードが気づかないうちに散乱して、開発環境が汚くなってしまうことがあります。

ファイル散乱の解決策:Claude.mdでのルール設定

これを解決するには、Claude.mdにおいて、検証ファイルを保存する場所にルールを設けるのが適切です。これにより、環境が汚くならずに済み、後からの整理も容易になります。

# デバッグファイル管理
- すべてのテストコードは `/debug/` ディレクトリに保存
- 一時的な検証ファイルは `/temp/` ディレクトリに保存
- 作業完了後は不要なファイルを削除する

極意8:いきなり実装作業させず、まずAIに「要件定義」を実装させよ

最後の極意は、要件定義ファーストなプロセスの重要性についてです。

例えば、エラーのあるコードの修正作業において、いきなり修正を依頼するのではなく、以下のようなプロセスを踏むことが有効です。

  1. 原因分析をAIに実施させる
  2. 要件定義を作成させる
  3. 実装計画を立てさせる
  4. 実装を作業させる

実装例

## エラー修正の要件定義例

### 問題の特定
- [ ] エラーログの詳細分析
- [ ] 問題の根本原因の特定
- [ ] 影響範囲の調査

### 修正方針
- [ ] 修正アプローチの選定
- [ ] テスト戦略の決定
- [ ] リスク評価の実施

### 実装計画
- [ ] 修正手順の詳細化
- [ ] 検証方法の決定
- [ ] ロールバック計画の策定## エラー修正の要件定義例

プロセスと作業報告書の重要性

AIにとって重要なのは、以下のプロセスを明示的に実行することです。このプロセスを明確にすることで、開発効率が大幅に向上します。

依頼者の依頼の把握 → 問題の分析 → 仮説の生成 → 要件定義化 → コードの実装

さらに、要件定義のみではなく、実装完了後にAIに作業報告書も作成させるとより効果的です。これにより、将来の類似タスクでの再利用が可能になります。

Claude Codeで人生一発逆転!

AIエージェントClaude Codeの力を120%引き出す極意8選をご紹介しました。改めて振り返ると、以下の通りです。

  1. プロンプトは知的財産として保存
  2. 並列的なプロジェクト開発
  3. プロンプトのテンプレート化
  4. ultrathinkモードの活用
  5. Claude.mdの必須設定
  6. 忘却問題の回避
  7. デバッグスクリプトの管理
  8. 要件定義ファーストのアプローチ

これらの極意を適切に活用することで、開発スピードを20〜50倍以上向上させることも十分に可能です。Claude Codeの登場で、開発者の体験が完全に変わったといえ、誇張でもなく「人生一発逆転!」といえるレベルです。モデルチェンジした新しい開発スタイルを、どんどん取り入れていきましょう!

Claude Codeは単なるツールではありません。適切に使いこなせば、あなたの開発パートナーとして、これまで不可能だったレベルの生産性を実現できるでしょう。今日から早速、これらの極意を実践していきましょう。

指示待ち人間から、指示出し人間へ。

Claude Codeと共に、要件定義をし続けましょう。


リープリーパーでは、AIやローコード・ノーコード開発、アジャイルなど、研究開発に携わるメンバーが現場で得た体験やノウハウを紹介しています。最新情報は、ぜひソーシャルメディアをフォローしてください。

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松原 太一
研究員(専門分野:バイオインフォマティクス・深層学習・量子コンピューティング)
2021年から株式会社BlueMemeで量子コンピューティングやゲノム情報解析の研究開発を担当。専門分野は、量子AIの生命医科学への応用。BlueMemeに在籍する傍ら、2023年度より社会人学生として、九州大学大学院システム生命科学府へ進学し博士号取得を目指す。
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