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アジャイル

自分で作っておいしく健康に!自炊としてのソフトウェア開発

リプリパ編集部

毎日の食事、どうしていますか?家族に作ってもらったり、自分で調理したり、外食やテイクアウトなど、いろいろでしょう。今回は、組織がビジネスに使うITシステムを人の食生活に例えて、明るく健康で快適な毎日を過ごすヒントにしてみましょう。

人が考え方や意識、行動を変えるきっかけは、場所と時間、周りの人という3要素だと言われます。新年度は、3つの要素全部が一度に変わった人も少なくないはず。季節の変わり目でもあるこれから、どう健康に過ごしていけばいいでしょうか?

ポテトサラダって、本当に母親が家で作らなくちゃならないのか?

以前、とあるツイートが、大きな話題になったことがありました。それは、スーパーマーケットの惣菜コーナーで高齢男性が発したという『母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ』という声についてでした。

ポテトサラダは一見簡単な料理に見えますが、実は、それなりに手間が掛かる一品です。また、時代錯誤のジェンダー観は、女性の自立や多様性を認めないことにつながるばかりか、結局は男性のためにもなりません。惣菜を買うことは「手抜き」ではなく、「家族の幸せ」や「自分の時間」を大切にする選択肢の一つです。「丁寧な手作りこそが愛情である」という呪縛からの解放が必要です。

現実の、私たちの食生活の変化も見てみましょう。一人で食事をする「孤食」は、一人暮らしや核家族化、共働きなどの社会的要因によって、都市部の若年層だけでなく、高齢者にも拡がっています。惣菜やお弁当を買って持ち帰り、家庭や職場などで食べる、外食と内食の中間的な食事である「中食(なかしょく)」も、すっかり定着しました。朝昼夕に加えて一日に5回食事をする「5食」は、軽い間食をすることで血糖値の安定に役立つ一方、生活リズムが乱れることによるカロリーオーバーや、消化不良への注意も喚起されています。

スマホの普及と、コロナ禍でできた「黙食」という習慣や、テイクアウト・デリバリー需要も、これらをさらに加速させました。栄養バランスが偏りやすいことだけでなく、家族や仲間と一緒に食べる機会が減り、コミュニケーションや社会性が低下することで、孤独感やストレスを感じる問題が指摘されています。

忙しい私たちのライフスタイルが変化する中で、自炊の時間はどうしても制限されています。しかし、食べたいモノは、自分でサッと手軽に作れるようになっていた方がいいのではないか?だったら、ハードな訓練で身につけるべきなのか?逆に、全くしなくてもいいのか?

ビジネススタイルに応じて、ソフトウェア開発の「自炊」も変化

自分で料理するかしないかの判断は、企業がビジネスに利用するソフトウェアを、外部に委託して開発するか、自社で開発するかという構図と似ています。自分で買い物をして料理を作る場合、家族のニーズや予算に合わせて、自分の思い通りにできるのがメリットですが、作るのに必要なスキルやリソースを準備したり、不足している場合は困難になるのがデメリットです。一方、外食や宅配・出前サービスを利用して、料理を作る手間や時間が省けるのは楽ですが、予想以上にコストが掛かったり、自分の好みや都合に合わないこともあります。

家庭企業
食事:人が生きるために必要なもの情報システム:会社を運営するのに必要な仕組み
自炊:食事を自分で作ること内製化委:情報システムを自社で作ること
同居人数:一緒に暮らす人たちの人数企業規模:企業の大きさ

では、『自社で使うソフトウェアぐらい、自社のプログラマーがスクラッチ開発して作れ』という考え方は、果たして妥当なのでしょうか?ここでは「自炊しない」場合にどんな選択肢があるか、逆の視点で考えてみましょう。

自炊しない:一人暮らし

小規模な企業なら、パソコンやExcelがあれば十分
小規模な企業なら、パソコンやExcelがあれば十分

家庭:コンビニやスーパーの総菜でも十分
企業:パソコンやExcelがあれば十分

自炊しない:核家族

中規模な企業なら、目的ごとの専用サービスが必要に
中規模な企業なら、目的ごとの専用サービスが必要に

家庭:総菜に加え、外食のニーズが高まる
企業:会計ソフトウェア等が必要になる

自炊しない:大家族

大規模な企業なら、ニーズを満たしてくれる委託先が必須に
大規模な企業なら、ニーズを満たしてくれる委託先が必須に

家庭:ニーズが多様化し総菜では不十分、外食の予約も困難
企業:お抱えのシステム開発会社を持つことになる

便利な素材やサービスを賢く使えば、自社開発だってカンタン

ソフトウェア開発をシステムインテグレーターにアウトソーシングすることには、長所と短所があります。コスト削減や柔軟性の向上、専門的なスキルやノウハウへのアクセスなどが期待できる一方で、開発時間や文化の違い、コミュニケーションの難しさ、運用保守や教育などの隠れたコストなどは課題です。

ということは、ソフトウェア開発は絶対に自社でしなければならない訳ではなく、かといって外部に丸投げというのも問題のようです。実は、最初に食生活の多様化について振り返ったように、ソフトウェア開発にも新しいスタイルが拡がっています。

アジャイル手法でソフトウェアを開発

自分たちでソフトウェアをアジャイルに開発できるサービスを利用
自分たちでソフトウェアをアジャイルに開発できるサービスを利用

アジャイルな開発スタイルを、ワンランク上のフードデリバリーに例えてみましょう。食べたいものを手軽に注文でき、すべてを自分で準備する時間や労力、スキルも必要ありません。ニーズに合わせて好きな食材やトッピング、スパイスを加えて、素早く手軽にアレンジもできます。

企業は、開発会社に委託する代わりに、身近で手軽にソフトウェアを開発できるサービスを利用できます。開発者は小刻みに作業し、開発プロセスやニーズに応じて、変更を加えられます。

家庭:宅配弁当の業者の代わりに、多様なニーズに細かく対応できる「外食レベルの宅配サービス」を利用する。
企業:お抱えのシステム会社の代わりに、情報システムを短期間で作るサービスを利用する。

ローコード製品のサブスクリプション

ローコードで自動化できる専用の開発ツールとトレーニングで内製化
ローコードで自動化できる専用の開発ツールとトレーニングで内製化

ローコード製品のサブスクリプションは、プロの料理人を家庭やパーティー会場へ派遣し、本格的な料理を提供する出張サービスに例えられます。レストランシェフや管理栄養士など多数のプロから選んで、おもてなし料理から家庭料理、離乳食まで幅広いニーズに対応してくれます。手間なくおいしい食事と素敵な時間を楽しめます。

または、すべての材料があらかじめ用意されているミールキットに例えられるでしょう。包丁やまな板、鍋は不要で、誰が作っても失敗なし。ゼロから始めるよりもずっと早く、簡単に作れて、しかもおいしい。

企業は、自社のニーズに合わせてプロからソフトウェアを提案してもらい、必要最小限な部分以外はプログラムコードを書かずに済むツールを導入できます。プログラマーではない人も、プログラミングのスキルを学習することで、現場で必要なアプリケーションなどを自社で高速に開発できます。

家庭:料理の手間を3分の1にする最新のキッチンと調理道具をサブスクで提供し、また料理の作り方もゼロから教えることで「自炊」を実現させる。
企業:自動的にプログラミングを実現するツールとトレーニングを使い、内製化を実現する。

プロの支援を受けるコンサルティング

内製化できるDX人材を積極的に育成
内製化できるDX人材を積極的に育成

食材や下処理、調理器具が進化すればするほど、料理人が不要になるのではなく、むしろ料理人の真のスキルが問われます。子育てや介護に忙しい人、ダイエットが気になる人、高齢者世帯など、食べる人の細かなニーズを察知するだけでなく、その日の気候や気温、家族の体調、その人の何気ない会話によっても、柔軟な対応が必要です。アレルギーや病気に対応した制限食・除去食は、必要な家族にとってはある意味ライフラインの一つです。

企業ユーザーも同じです。属人化を排除した作業は徹底的に効率化・自動化する一方で、ビジネスの現場を深く知るプロフェッショナル人材にしかできない設計が、上質な顧客体験を実現します。

家庭:新鮮な食材と最新のレシピを常に提供して多様なニーズに対応できる「プロレベルの料理人」を継続的に創出する。
企業:内製化を担う新たなIT人材を育成する。

無理せず手間を掛けず、自社のニーズに合わせた「おいしい開発」を!

食べることは、生きること。食事が、ただの栄養補給ではつまらない。大切なことは、自分や家族の体調や目標に合わせて、適切な量と質の食事を摂ること。それも、無理をせずに。

料理研究家の土井善晴さんは、一汁三菜でなく一汁一菜でも十分だと語っています。また、開けっぴろげで豪快な言動でも人気の料理愛好家、平野レミさんは、手抜きで作ってもおいしい料理を楽しく紹介しています。両者とも、生活や家族の形態を問わず、多くの人たちから熱い支持を集めています。

自分が食べたいものが具体的にイメージできる時は、元気な時です。自炊するときは、できるだけ手間のかからないシンプルな料理を選んで、継続的で小さな成功体験を積むのも大事です。同じ食材を使い回して食べ切るようにすると、フードロスも減らせます。便利な食材やサービスは遠慮なく使って、温かい料理は温かく、冷たいものは冷たいうちに、いろいろなニーズに応えて食卓を楽しくしましょう。バリエーションを増やしたり、季節や地域の特産物を取り入れたりすることで、食生活は豊かになります。時間や労力を節約できるだけでなく、食事以外の生活も充実すればストレスが減り、家族や自分の幸せにつながります。

自炊としてのソフトウェアの自社開発は、ビジネスに変革をもたらすDXにも直結しています。AIやRPAの普及も食事に例えると、これからは大量にできたレシピや斬新な調味料を、どうやって適切かつ効率的に管理すべきか?という新しい課題も出てくるでしょう。現場でどんなソフトウェアが必要なのかは、ニーズに一番近い場所にいる人自身が開発できれば、スピードや柔軟性の点で大きなアドバンテージになります。自社のニーズに合わせた「おいしい開発」ができる体制を実現しましょう。

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リープリーパー(略称:リプリパ)編集部です。新しいミライへと飛躍する人たちのためのメディアを作るために、活動しています。ご意見・ご感想など、お気軽にお寄せください。
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