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アジャイル

労働集約型から知的集約型へ!働き方も開発も変革が必要なワケ

リプリパ編集部

今、ソフトウェア開発が、労働集約型・ウォーターフォール型から、ローコード・ノーコードツールを使った知的集約型・アジャイル型の開発手法へとシフトしています。そもそも、社会の産業構造や働き方が「知的集約型」になっていて、この2つは密接に関係しています。今回は、ソフトウェア開発が知識集約型へ移行しているという話をしてみましょう。

「知識集約型」産業や業務とは?「労働集約型」「資本集約型」との違いは?

その前に、まずは、用語の定義と基本情報を見てみましょう。

産業や業務特徴 産業例
労働集約型人手が多く必要農業/林業/製造業/運送業/介護/接客業
資本集約型機械や設備などの資本が多く必要金融/通信/半導体/運輸/鉱業/建設業/大規模製造業/エネルギー産業
知識集約型知識や情報を活用し、高度な技術やサービスを提供 IT/医療/教育

まず、「労働集約型」の産業や業務とは、人手を多く必要とする産業のことです。農業や林業、製造業、運送業、介護、接客業などが該当します。機械化できる範囲が制限されているため人手が多く必要になり、その分、人件費も多く発生します。しかし労働者にとっては、労働時間が長くなっても賃金は低く抑えられがちで、一人辺りの生産性も上げにくい構造になっています。

次に、「資本集約型」の産業や業務とは、機械や設備などの固定資本や生産設備を多く必要とする産業のことです。金融や通信、半導体、運輸、鉱業、建設業、大規模製造業、エネルギー産業などが該当します。初期の大規模な設備投資が必要ですが、一度投資と減価償却が終わってしまえば、後はメンテナンスコストを負担するだけで、人件費は抑えられます。

そして、「知識集約型」の産業や業務とは、人々の知識や情報を活用し、高度な技術やサービスを提供する産業のことです。人間の知的労働力に頼る割合が多く、専門知識を要求される頭脳労働が中心になる業務です。例えば、ITや医療、教育などが挙げられます。 上記で説明した3つの順番は、そのまま社会の変化の歴史を示しています。私たちの社会は狩猟社会から始まって、農耕社会、工業社会へと発展してきました。産業革命によって、中心となる産業は労働集約型から資本集約型へと変化しました。さらに今、情報革命によって知識集約型へと進化しているのです。

システム開発も知的集約型になっていく必然性

産業構造や働き方に大きなシフトチェンジが求められているのと同様に、ソフトウェア開発も知的集約型でアジャイルな開発手法に変化しています。

コンピューターの黎明期には、専門の技術者だけが機械語やアセンブラによってソフトウェアを開発していました。プログラマーがCOBOLやC、そしてJavaやC#、Rubyで開発する時代を経て、今では業務アプリケーション開発に特化した言語を使って、プログラミングを専門にしていない人でも、ビジネスで使えるソフトウェアを開発できるように進化しています。

開発言語は世代ごとに進化を続け、今は業務アプリケーション開発に特化した言語を使える第5世代
開発言語は世代ごとに進化を続け、今は業務アプリケーション開発に特化した言語を使える第5世代

開発言語は世代ごとに進化を続け、今は業務アプリケーション開発に特化した言語を使える第5世代

より効率的で高い付加価値のアウトプットを目指すのであれば、自社のビジネスに最適化されたITシステムが必要です。マーケットのニーズを逃さず、変化にも柔軟に対応することでビジネスチャンスを掴むには、現場でソフトウェア開発を内製化することが重要です。

ソフトウェア開発も、社外のSIerと細かく要件定義をして仕様を設計し、納期の直前になってやっと動作を確認したところでバグが見つかった頃には、気まぐれなユーザーのニーズは他のところへと移っているかもしれません。また、関係者の人数ややり取りが増えることによる、コミュニケーションコストも無視できなくなります。 ここで重要な鍵を握るのが、ローコード・ノーコードツールです。これまでの大規模なシステム開発は、さまざまな専門家チームで構成された「労働集約型」「ウォーターフォール型」でした。これに対して、ローコード・ノーコードツールを使ったシステム開発は、自律的な少人数のチームによる「知識集約型」「アジャイル型」です。ローコードとは「アプリケーション開発」に特化した言語で開発することで、開発言語の抽象化の流れの一つと考えることができます。

さまざまな専門家チームで構築された、労働集約型・ウォーターフォール型の開発
さまざまな専門家チームで構築された、労働集約型・ウォーターフォール型の開発
自律したチームによる、知的集約型のアジャイルチーム
自律したチームによる、知的集約型のアジャイルチーム

知識集約型の業務としての、アジャイル開発のメリット

ローコード・ノーコードツールを使って、アジャイル開発を推進する主なメリットを挙げてみます。

変化への俊敏な対応

ローコード・ノーコード開発を導入することで、スピーディーなアプリケーション構築や更新、保守、機能強化が可能になります。柔軟でスピーディーな環境によって、企業は競争力を維持し、変化するビジネスニーズに対応できます。

生産性の向上

もちろん、ローコード・ノーコードツールは従来のITエンジニアにも大きなメリットがあります。プロフェッショナルとしての開発者と、シチズンデベロッパー(市民開発者)とが、目的や範囲によって棲み分けたり協働することで、業務の生産性や効率はアップします。

属人化の低減

ローコード・ノーコードツールは、高度なスキルとナレッジを備えたITプロフェッショナルでなければ開発・運用できない、システムのリスクを減らせます。これは、ITエンジニアの人口を増やすことだけでなく、人件費の最適化にもつながります。

ソフトウェア開発の民主化

マーケットやユーザーのニーズを一番敏感に感じ取るのは、現場の人々です。ローコード・ノーコード開発へとシフトすることでソフトウェア開発が民主化されれば、ビジネスユーザーが直接、必要な機能を持つアプリケーションを開発できます。常に不足しているIT人材の確保という点でも、大きなアドバンテージです。

イノベーションの促進

現場で生まれたアイデアを、アジャイルなチームですぐに具体化し、高速にトライ&エラーを繰り返しながら、実際のビジネスにフィードバックしていくのは、ローコード・ノーコード開発の大きな強みです。新しいアイデアを次々に試せることは、イノベーションの拡大と競争力の維持にプラスに作用するでしょう。


アジャイル開発と、そのためのローコード・ノーコードツールは、知的集約型のソフトウェア開発には不可欠です。そしてこれは、社会が労働集約型から知的集約型中心のワークスタイルに転換していく流れと、密接に関係しています。

次回も引き続き、産業構造の変化とテクノロジーについてフォーカスを当ててみましょう。

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