ローコード・ノーコード

ノーコードCRM+AIの最前線!Creatio No-Code Days 2025レポート

リプリパ編集部

ノーコードCRM市場を牽引するCreatio(クリエイシオ)の年次グローバルカンファレンス ”No-Code Days 2025” が、2025年5月13日〜15日に米国フロリダ州で開催されました。今年はやはりAI一色! この記事では、公式発表や基調講演、参加セッションの内容をレポートしながら、日本企業が注目すべきポイントをお伝えします。

この記事の概要
  • ノーコードCRM「Creatio(クリエイシオ)」の年次イベントNo-Code Daysは、AIによる強化一色!キーワードはTWIN(双子)。
  • これは、人間とAIエージェントとがまるで双子のような、密接なパートナーとして機能することを意味する。
  • 最新バージョンでは、サービスとセールス、マーケティングが、ノーコードとAIでさらに柔軟かつ強力に!

ノーコードCRM+AIが特徴!Creatio(クリエイシオ)とは?

Creatioは、ノーコード開発プラットフォームです。CRM(顧客関係管理)や業務のワークフローから、マーケティング、営業支援、ヘルプデスクなど、プログラミングコードを書くことなく、ノーコードで実現する製品です。クラウドまたはオンプレミスで動作し、部門ごとの業務フローを視覚的に設計・改善できます。

また、APIを介した他サービスとの連携性に優れ、既存システムへの部分的導入や段階的な切り替えにも柔軟に対応。AIを標準搭載し、ユーザーの業務を支援する「Twin」と呼ばれるAIアシスタントが、「スタジオ」というノーコード機能と、「セールス」「サービス」「マーケティング」という3つのCRMモジュールに組み込まれています。

2014年10月にリリースされて以来、Creatioは業界からの評価も高く、資金調達も順調で着実に成長しています。本社はマサチューセッツ州ボストンにあり、世界で6つの地域に拠点を構える一方、世界各地に約700社のパートナー企業が展開しています。

Creatio 8.3の新機能とサービス

Creatio 8.3は、生成AIとの親和性をさらに高めた進化版です。各モジュールに配置されたTwinが、業務履歴やユーザーの操作傾向をもとにアクションを予測・提案する精度が向上。ノーコード開発の操作画面も刷新され、UI・UXの観点からも非エンジニアがさらに使いやすい設計になっています。

将来的には、社内外の複数データソースを統合しながらプロセス設計が可能になる構想も公開されました。例えば、セールスチームがSales Twinを通じて次の提案内容を受け取りつつ、マーケティング部門とリアルタイムで同期できるなど、部門間連携の高度化が想定されています。

左からStudio/Sales/Service/MarketingのAI "Twin"たち
左からStudio/Sales/Service/MarketingのAI “Twin”たち

Studio Twin | Studio開発者

  • 対応領域:ノーコード開発
  • 用途:ワークフローやUIの構築を補助するAI。開発者の「設計意図」を理解して提案。

* Studioはノーコード開発プラットフォーム。一方、以下の3つはAIネイティブCRMなので、扱いが少し異なる。

Sales Twin | 営業担当

  • 対応領域:営業支援
  • 用途:顧客情報・活動履歴から提案内容や次のアクションを予測・生成。

Service Twin | カスタマーサポート担当

  • 対応領域:サービス対応
  • 用途:問い合わせ履歴から対応案を提示、ナレッジベース参照・FAQ自動提案など。

Marketing Twin | マーケティング担当

  • 対応領域:マーケティング
  • 用途:セグメント提案、キャンペーン構築支援、コンテンツ自動生成など。

「AIの時代」を告げたCreatio ”No-Code Days”

そんなCreatioが毎年主催する最大のイベントが、Creatio “No-Code Days”です。今年のイベントのサブタイトルも、”The Age of AI(AIの時代)”。世界各国から、マーケティングや営業担当者、企業経営者、開発エンジニアなどが集まり、最新のノーコード技術とCRMの活用事例を共有し合う貴重なチャンス。3日間にわたるイベントには約800人が参加。Creatioの日本国内総代理店であるBlueMemeグループからももちろん参加しました。

会場は、亜熱帯のリゾート地フロリダ州マイアミ。気候と開放的な雰囲気もあり、最新のCRM事情について世界各地のパートナーたちが、ランチタイムやコーヒーブレイクの合間も、フランクに意見交換している様子があちこちで見られました。

世界各地から集結したパートナーなど、参加者は約800人
世界各地から集結したパートナーなど、参加者は約800人

CEO講演:「AIと人が双子のように共創する時代」

初日の基調講演では、Creatio CEOのKatherine Kostereva氏が登壇し、”The Rise of the AI Twins. The Art of Bringing Users and Agents Together(AI双子の台頭。ユーザーとエージェントを結びつける芸術)”と題したプレゼンテーションを披露しました。彼女は、AIと人が双子(=パートナー)のように協力しながら業務を遂行する世界観を提示。CRMの新しい姿として「AIとユーザーが対等に協働する構造」が必要だと語りました。

エンジニアではないユーザーでも、Twinによる提案や生成機能によって、自ら業務プロセスを最適化・構築できる。この「AIでさらに強化した、内製化による柔軟性とスピード」が、変化の激しいビジネス環境で競争力を持つ企業の条件だと、強調する姿が印象的でした。

Creatio CEOのKatherine Kostereva氏
Creatio CEOのKatherine Kostereva氏
出典:Creatio

AIでさらに強化されたCRMとノーコードという可能性

続いて、Creatioを使った世界各地のさまざまな企業の成功事例の紹介へ。

AIの進化がCRMおよびノーコード開発環境にもたらすインパクトについて、さまざまなセッションで議論されました。AIとノーコードの組み合わせによる業務プロセスの自動化や、顧客エンゲージメントの向上は、どれも実践的な事例ばかり。大規模システムへの実装から、業務転換・導入方法にまで踏み込んだ、多様なDXの成功事例が披露されました。

例えば、UKの不動産業界の事例では、物件情報を600件掲載していて、週に250件販売しているという話が印象的でした。やはり、顧客へのレスポンスがマメにできる環境があるかどうかが肝とのこと。Creatioを導入して、顧客とのコミュニケーションを効率化することで、サクセスサイクルを実現できるという成功事例でした。

不動産以外にも自治体、教育機関、小売、金融など、各業界の成功事例が展開され、規模もさらに多彩になった印象を受けました。

グローバル事例から見えるAI+CRM活用の現在地

3日目の最終日は今年初めて、パートナーに完全開放された一日として設定されました。最大のマーケットであるアメリカとEU以外にも、中東やアジア太平洋地域からも多数の企業が参加。販売戦略の立案やマーケットへの参入準備、詳しいワークショップやデモ、エキスパートへの相談など、ビジネスの成功につながる具体的なナレッジが活発に共有されました。

現場レベルの実践的なノウハウが披露された最終日の様子
現場レベルの実践的なノウハウが披露された最終日の様子

Mitra Integrasi InformatikaのPriadi氏は、『OutSystemsをはじめさまざまなローコード・ノーコード製品のトレンドが続いている』と語ってくれました。また、IBMやAccentureで15年以上のコンサルティング経歴を持つHarshnil Patel氏は、『AI関連の発展が激しい中で、公的機関から金融業界まで幅広く対応できるCreatioに大きな手応えを感じている』様子でした。さらに、中東のMGSのAssem Rashidi氏は、『中東エリアで活動する、大手を含む日系企業でもCreatioが使われている』事実を教えてくれました。
さまざまなパートナーと会話を交わす中で、『変化が予測不可能な現代では、Creatioを導入することで意思決定スピードが改善される』という点や、『内部の人間が自分でプロセスを構築し、柔軟にカスタマイズすることで、非エンジニアでも自分で開発できるCreatioは、日本市場にとっても切り札となる製品である』ことについては、皆さんから同意の声を聞くことができました。

AI時代のCRMを日本企業はどう活用すべきか?

日本国内では、CRMの導入が目的化してしまい、活用が進まないケースも少なくありません。特に中堅企業や地方組織では、システム構築にかかるコストや人材リソースの不足がボトルネックとなっています。

そのような中、Creatioが提供する「ノーコード+AI+柔軟な課金体系」の組み合わせは、DXを現実的に前進させる有効な選択肢といえるでしょう。Salesforceなど、他社製CRMと並行して利用したいニーズにも、Creatioは柔軟に対応できる構造を備えています。

APIやWebhookによる外部連携だけでなく、MCP(Modular Composable Platform)を意識した統合設計も視野に入れることで、今後の企業IT基盤の柔軟性は一層高まっていくはずです。


まずはCreatioの無料トライアルで最新のCRM体験を!

Creatioは日本語環境でも無料トライアルが可能です。CRMツールとしての使いやすさはもちろん、Twinの支援機能やノーコード開発環境がどのように業務と接続されるかを実際に体験することで、自社への適合性を具体的に検証できます。

また、公式ガイドブックである『No-Code Playbook』を、日本企業向けにローカライズした資料もご用意しています。どうぞお気軽にお申し込みください。

Creatio無料トライアルの詳細はこちら:

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