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理系じゃなくても開発できる!?文系エンジニアが必要になるワケ

リプリパ編集部

ソフトウェア開発といえば、一般的には『理系の人がやるものでしょ?』『文系の人には縁がない世界』だと思われていますよね?ところが、これからは少しずつ状況が変わっていきそうです。というのも、文系の人でもソフトウェア開発ができる環境が充実したり、現場のニーズが高まっているからなんです。

「2025年の崖」を前に文系の手すら借りたい!…わけじゃない

先に言っておくと、ソフトウェア開発において、エンジニアリングやコンピューターサイエンスの知識やバックグラウンドが重要なことは、これからも変わりません。ただ、それらが唯一の条件ではなくなる傾向にあるという話です。

確かに、労働生産人口の減少で、今も不足しているITエンジニア人材の問題は今後さらに深刻化します。2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」では、多くのIT労働者が引退する中、老朽化したシステムを使い続けることで経済が停滞し、国際競争力も落ちていく危機が「2025年の崖」として警告されました。

▼DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf

しかし、理系の人材不足が危機的な状況なので、とうとう文系まで駆り出されざるを得ない…という話ではありません。
実は、文系の学生や、技術以外のバックグラウンドを持つ人でも、自分でソフトウェアを開発し、理系の人材とは違う形でプロジェクトの成功に貢献できるチャンスが拡がっているからです。

文系エンジニアに注がれる熱視線

では、「文系エンジニア」たちに何が期待されているかを見てみましょう。

急速に進化・変化していく業界

ソフトウェア業界は常に変化し、進化しています。新しい技術やプログラミング言語が常に登場しているため、柔軟な適応力があり、素早く学習できるソフトウェア開発者の需要が高まっています。文系の人々は、従来の理系エンジニアよりも、新しい技術やプログラミング言語をより早く学び、適応できる可能性があります。

垣根のないクリエイティビティー

ソフトウェア開発は、コーディングや技術的な問題を解決することだけが目的ではありません。魅力的なコンテンツの作成やユーザーインターフェイスの設計、新機能の開発などにも創造性が不可欠です。文系の人々が、デザインや創造性に関して異なる視点を示すことで、それがユニークで革新的なソフトウェアを作る上で貴重な要素となります。

ソフトウェア開発にも必要なダイバーシティー

ソフトウェア開発では、多様な経歴や経験を持ったメンバーが参加することで、チームに幅広い視点と視野、視座を得られます。文系の人々は、他の方法では考えられなかったようなユニークな指摘やアイデアを提供することで、チームに貢献できます。

結局は、人と人とのコミュニケーション

ソフトウェア開発では、複雑な技術的概念やチームでの作業を、いろいろな関係者に伝えなければなりません。文系の人々は、ストーリーテリングやナラティブを通じた説明やヒアリング、他者との関係性の構築、コミュニケーションを通じた合意形成に長けているかもしれません。

重要なのは、プログラミングスキルだけではなく、新しい技術を学びながら適応していく個人の学習意欲や、創造性と問題解決能力、コミュニティーでのコミュニケーションスキル、そしてチームに貢献する能力です。

STEM教育とリベラルアーツに注目

近年、教育をめぐる議論で必ず登場するキーワードが、「STEM(ステム)教育」です。STEMとは、科学 Science、技術 Technology、工学 Engineering、数学 Mathematicsのこと。STEM教育は、技術的なスキルや知識を身につけるのに非常に有効で、IT化やグローバル化によって世界的に注目されています。しかしその一方で、技術的なスキルに焦点を絞りすぎると、創造性や批判的思考、問題解決力、チームワーク、適応力などが課題になるという指摘もあります。

個人の目標や興味、得意分野によって、教育やキャリアに対する最適なアプローチは異なります。多くの文系学生にとって、STEM教育は分野が異なるため、興味の対象外でしょう。しかし、STEM科目と文系科目の両方を含む総合的な教育を受けることには、大きな価値があります。両方を学ぶことで、どのようなキャリアにおいても、価値ある批判的思考力と創造性を身につけられます。

この点から考えると、理系・文系というよりリベラルアーツと考える方が適切でしょう。リベラルアーツとは、文学や心理学、歴史学などの人文科学、法学や政治学、経済学などの社会科学、理学や工学、農学などの自然科学といった基礎を、まんべんなく学ぶ教育のことです。

テクノロジーやソフトウェア開発に興味を持つすべての人が、必ずしもコンピューターサイエンスの学位を取得しなければならないわけではありません。リベラルアーツ的な、より広い視野を持った学際的アプローチは、豊かで適応力のあるエンジニアを生み出すのに不可欠です。

例えば、音楽の創作活動をしながら、ソフトウェア開発に携わることもできるでしょう。社会活動の調査研究に必要なモバイルアプリなら、実際に使う人たち自身が開発しながら、アップグレードを繰り返していく方が合理的かもしれません。

ChatGPTは、ペアプログラミングの心強いパートナー!

アメリカのテックベンチャーOpenAIが、2022年11月末にローンチした対話型AIのChatGPTは、わずか5日で100万ユーザーを獲得するほどの大人気です。今も、日々のニュースを賑わせています。

▼Introducing ChatGPT|ChatGPT公式ブログ
https://openai.com/blog/chatgpt

対話型AIの優れた使い方として、プログラミングコードの生成があります。ペアプログラミングのような感覚で使える上に、その正確性やスピードは、現役エンジニアからも数々の驚きの声が上がっているほどです。ペアプログラミングとは、指導役のナビゲーターと、実際にコードを書くドライバーの2人が1台のパソコンを共有し、共同でソフトウェアを開発する手法です。エンジニア育成のOJTなどでも使われます。

もちろん、AIがすべてのプログラムを生成できるわけではありません。制限や注意点もあり、開発のナレッジが要求されるシーンも多いのが現実です。しかし、このような対話型AIという技術革新もまた、文系エンジニアが活躍できる環境を後押ししています。

ブロードバンドとパソコン未開の地、アフリカに起きた革命

このように、近年では、文系エンジニアが活躍できる素地が整いつつあります。冒頭に挙げた背景以外にも、例えば、高速大容量ネットワークの整備や、スマートフォンやタブレットの普及、SaaS(ソフトウェアとしてのサービス)の充実、日本だとリスキリング推奨の潮流などもあります。

アフリカは、ブロードバンド固定回線の普及率が世界的に最も低く、電力供給が安定していない地域でした。ところが、他国と同様の環境がなかったことで、モバイル環境が爆発的に普及しました。まったく新しいテクノロジーの導入と最適化が進み、社会を大きく変えています。

文系エンジニアの登場は、これに似た側面があるかもしれません。従来、常識とされていたソフトウェアの開発手法の延長ではなく、最先端の開発手法やサービス、ツールを利用できる立場にあります。また、古い常識や固定概念に縛られないマインドも、大きなアドバンテージになり得ます。

ソフトウェア開発や関連分野で成功するには、技術的スキルや知識をしっかりと身につけることが不可欠だという点は、これからも変わりません。同時に、非STEMユーザーがソフトウェア開発者として成功できるチャンスも拡がっています。専攻分野に関係なく、学生でも社会人でも、一般市民誰もがソフトウェアを開発できる「シチズンデベロッパー」が増えていく未来に、大きな期待が寄せられています。

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リープリーパー(略称:リプリパ)編集部です。新しいミライへと飛躍する人たちのためのメディアを作るために、活動しています。ご意見・ご感想など、お気軽にお寄せください。
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