最近の投稿

アーカイブ

カテゴリー

最近のコメント

  1. にんじん
  2. アバター
  3. アバター
  4. タロウ
  5. アバター

カルチャー

忙しいあなたに紹介したい!連休に自分を少し見つめ直す3作品

リプリパ編集部

季節も初夏めいてきましたね。つい先日、新年度がスタートしたかと思えば、あっという間に大型連休がやってきます。今回は、今までとちょっと趣向を変えて、このLeapLeaperの運営会社BlueMeme社内の皆さんに、自分のイチオシの本や音楽、映画を紹介してもらいました。普段、仕事で忙しい手をちょっとだけ休めて、ブレイクのお供に。

終末のフール 伊坂幸太郎 著

推薦者:猫々博士/法務1年目/社会人11年目
ジャンル:本

推薦コメント

『明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?』

私はうなぎが好きだ。『もし明日地球が滅亡するとしたら、最後の晩餐はなにがいい?』と問われたら、『おいしいうなぎが食べたい』と答える。では、「明日隕石が落ちて地球が滅亡する」ことが判明しているとして、果たして今夜、うなぎ屋さんは営業してくれているのだろうか?うなぎに人生をかけてきたうなぎ職人なら、地球が滅亡するその瞬間までうなぎを焼いていてくれるだろうか?

この本のあらすじは『八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。…彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。』(集英社から引用)というもので、基本設定が共通する短編集です。

人生の終わり、地球の終わり、死までの期限が明確に見えている状態で、果たして自分が何をしたいのか。何か残したとしても、それが確実に消え去ることが分かっている状況で、そこから自分がしたいことは何か。

冒頭の台詞は、この本の登場人物であるキックボクサーの問いかけです。10年くらい前に読んだ本ですが、当時、生き方を考えさせられたのを覚えています。

編集部から

国際線のフライトにWi-Fiが導入され始めた頃だったか、VAIOの電源アダプターを預け入れ荷物に入れてしまったまま、機内に8時間以上閉じ込められたことがありました。しかも、直前に取引先から急な依頼のメールを受けるタイミングの悪さ。当時の非力なバッテリーでは持ってせいぜい90分、Wi-Fiのチャージは高い…。しかし、あの時ほど集中できたこともなかなかありません。

形はどうあれ、確実に「終わりが」来ることがわかっている状況で、一体何をすべきか。恐怖や悲観よりも、それらを前にした諦観こそが、真に恐れるべき対象なのかもしれません。コロナ禍の生活を経験した今、読み返しても初めて読んでも、それぞれに思うところがあるでしょうね。今年公開予定らしい映画も楽しみです。

▼終末のフール | Netflix
https://www.netflix.com/jp/title/81078585

キャラバンの到着 ミシェル・ルグラン 作

推薦者:ときお/開発+技術サポート業務10年目/社会人16年目
ジャンル:音楽

推薦コメント

映画『ロシュフォールの恋人たち』で使われたBGMです。この曲には、フランスが生んだ音楽の集大成としてジャズやクラシック、シャンソンなどのあらゆるジャンルの知識と粋が詰まっています。

この曲でまず感じるのは、ミシェル・ルグランという才能ある音楽家の力量と、ビッグバンドのハーモニーの素晴らしさです。そして、曲全体が表現するフランス音楽の「感じ」も素晴らしい。非常にわかりやすく、その反面で高度にテーマを抽象化していますが、この曲に込められた音楽のジャンルとテクニックの広さと深さは天才ならではのもので、どこまでも疾走感と美しさがあります。

初めて聞いたのは小学校4年のときですが、ずっと脳裏に残る曲でした。1967年公開にも関わらず、斬新で色あせない魅力があります。また、数多くの演奏者の力を借りることで、自分で作った曲が本当に輝きを放つという演奏も、人生の本質を現していると思います。こういう「本物」の音楽のように、自分の人生や生み出すものに輝いていてほしいという人生目標を持つに至り、美学の大切さを学びました。今でも、心から離れない音楽です。

ちなみに映画には、フランスを代表する大女優カトリーヌ・ドヌーヴが出ています。しかし内容はあまり面白いものではなく、ただのラブストーリーです。その代わり、ミシェル・ルグランの包括的な音楽と、キャストのダンスが映画を彩ります。この一体感というか、景色や憧れまでも取り込んでしまうような、フランスのエスプリが炸裂しています。その美しさを理解できるように、知性と感性を磨き美意識を持とうと思いました。

編集部から

あ!コレ私でも聞いたことあるかも!?と思ったら、日本では三菱ランサーエボリューションという車のCMで一時期使われていたんですね。ブラスセクションにパーカッション、そしてキャッチーなメロディーが特徴のこのインストゥルメンタル曲は、確かにカーエンスーたちが峠のカーブを攻めまくるような躍動感があります。とても、50年以上前の曲だなんて思えませんし、仕事で集中する時のBGMや、ワークアウトでここ一番というパワーソングにしたいかも!

ちなみに映画の脚本監督は、この映画が『ラ・ラ・ランド』(2016年)の重要なインスピレーションになったと語っていたみたいです。

▼Les demoiselles de Rochefort (The Young Girls of Rochefort) | IMDb
https://www.imdb.com/title/tt0062873/

しかし、小学校4年でこの曲に惹かれるなんて、おませなオシャレさんじゃありませんか!いや、年齢ごとの美意識があって、それがその人の将来を突き動かすのかもしれないですね。

嫌われる勇気 岸見 一郎 著、古賀 史健 著

推薦者:遊牧民/トレーニング1年/社会人3年目
ジャンル:本

推薦コメント

私がこの本を読んだのは、大学院1年生の11月頃です。その当時は、親の言いつけを守り地元で就職するか、ITに進むべきかで迷っていました。それまでの人生は、親に言われた通り、国立で理系の学校に進むことだけが僕の原動力でした。また大学も大学院も、合格したから進学しただけで、自分がその分野の勉強をしたいわけでもありませんでした。単に就職先をどうするかというより、自分らしい人生をどう歩むかで揺れていました。

そんな自分が就職活動の中でIT業界に興味を持ち、広く色んな人の役に立てると感じました。しかしこの軸を持ってから、心の中にモヤモヤが生まれました。そのモヤモヤを晴らすために何かいい本がないかと探している中で、この本に出会いました。この本を読んで、血の繋がった親であっても他者なのだと割り切り、自分が進みたい道に踏み出す「勇気」をもらえました。そして、今に至っています。何か始めたいけど周りの目を気にして踏み出せない人に、ぜひ読んでもらいたい本です。

編集部から

心理学者A.アドラーの思想とアドラー心理学の考え方を紹介したこの本は、世界中でベストセラーになり、舞台の演劇にまでなったほどでした。もう10年前だなんて思えません。青年と哲人との対話形式という体裁を取りながら、『自分の問題と、他者の問題をわけて考えよ』『何が与えられたかではなく、与えられたものをどう使うか』『自分自身を変えることで、人生を変えられる』というメッセージは、いま読み返してもどれも衝撃的です。私はたまに読み返すことがあるんですが、未だに強情でコミュ障な青年の立場で読んでしまいます…。

著者の岸見さんは最近、時々ライブイベントで参加者のいろいろなお悩み相談に答えていらっしゃいます。間髪を入れず、迷うことなくスムーズに言葉が出てくるその様子は、回答型AIのChatGPTならぬ「岸見GPT」です!

岸見一郎 Ichiro Kishimi – Twitter


どれも気になる作品だったので、「読みたい本リスト」に入れ、試聴しては、少しまた読み返そうかなという気にさせられました。読者の皆さんで、『自分も読んだ!聞いた!好き!』という感想があれば、ぜひコメント欄で知らせてくださいね。

これからもたまにこういった形で、その人の心の支えになっている一品や、考え方に影響を受けた一冊、仕事に関係している出会いなど、さまざまな作品を紹介していきます。どうぞお楽しみに!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
リプリパ編集部
リプリパ編集部
編集部員
リープリーパー(略称:リプリパ)編集部です。新しいミライへと飛躍する人たちのためのメディアを作るために、活動しています。ご意見・ご感想など、お気軽にお寄せください。
リプリパ編集部の記事一覧

記事URLをコピーしました