ローコード・ノーコード

ノーコードCRMでDX!プロスポーツ組織運営に学ぶ共創とファン育成

リプリパ編集部

DXが企業の競争力を左右する現代において、共創ファン作りは、ビジネス成長の鍵を握る重要な要素となっています。この記事では、地方都市のスポーツビジネスを例に、企業が顧客やパートナーとどのように共創関係を築き、持続的なファンを増やしていくか、そしてそれを支えるDX戦略について深掘りします。

この記事は、2025年6月19日(木)に開催された、熊本バスケットボール株式会社、GLナビゲーション株式会社、株式会社BlueMemeの3社共同セミナーの要約です。ノーコード+AIを活かしたCRM「Creatio(クリエイシオ)」の活用について語っています。

この記事の概要
  • 熊本ヴォルターズというプロスポーツチームを例に見る、取引先やスポンサー、ファン、社員など、ステークホルダーたちとの良好な関係づくり。
  • お互いの顔が見えやすい地方都市に限らず、ゴールを目指し、価値を共有するパートナーとしての「共創関係」がさらに大切に。
  • それを支えるノーコード+AIのCRM「Creatio(クリエイシオ)」。ただし、これはあくまでもツールであり、目的の見極めが重要。

厳しいプロスポーツビジネスにおけるDXの挑戦

登壇:熊本バスケットボール株式会社 代表取締役社長 湯之上 聡さま

Bリーグ所属のプロバスケットボールチーム熊本ヴォルターズを運営する会社が、熊本バスケットボールさまです。チームのミッションである「熊本に走る熱源であれ。」の下に、熊本のVOL(Voltage of Life 生活の熱量)を高める活動を続けていらっしゃいます。

2008年に設立された当初は、資金や選手、地域の人脈などが何もない状態でした。チームも初年度は6勝48敗と大きく負け越し、7,000万の赤字という非常に苦しい状況。資金繰りに奔走する、地方都市の中小企業経営者としての苦労を語っていただきました。

2013年からBリーグに参戦したものの、2016年に熊本地震が起き、ホームアリーナとして活動していた益城町総合体育館が被災。事業継続の危機という厳しい状況も、全国の皆さんから支えていただいて見事に復活。12年目のシーズンは、B1昇格こそならなかったものの、初めて観客動員数が10万人を突破し、売上も10億円を達成されました。

「地方のスタートアップ組織」を襲った苦難からの復活
「地方のスタートアップ組織」を襲った苦難からの復活

地域との取り組みも、積極的に展開されています。熊本の水と土、空気に恵まれた食材を使った地域共生食堂であるヴォルターズキッチン。運動や健康などの研究における、熊本大学との連携協定。子どもたちの体力低下という課題に対して、教育委員会と連携して開発した「ヴォルターズ体操」。「チームの熱源」を支えてくれている地域に貢献しています。

そのような地域のファンコミュニティーの育成には、関係づくりが大事だと認識されていました。しかし、主に以下の3つの点が課題となり、スポンサー営業で非常に苦戦されていました。

  1. 人の異動による情報や関係の非連続性
  2. 顧客情報の散在、非効率な管理
  3. パートナー企業との関係管理が複雑
Excelや従来のCRMでは解決できなかった課題
Excelや従来のCRMでは解決できなかった課題

そこで、他社製CRMの導入失敗も踏まえ、3社が共同して地域との共創を通じたファンベースの拡大を目指しました。単に広告営業を効率化するだけでなく、ファン一人ひとりの体験価値を最大化するDXを推進しました。

Bリーグは、2年後の2026-2027シーズン終了後に、大きな再編が計画されています。売上高12億円、観客動員数も一試合平均4,000人、年間動員数12万人、さらにアリーナ設備の確保など、厳しい目標が設定されています。クラブとして発展していくには、チームが強いことは当然として、売上や観客動員数などでも強豪と競り勝っていかなければならない、厳しい闘いがコート外でも続きます。

スポーツチームにとってのCRM(顧客関係管理)は、チケット購入履歴やグッズ購入情報だけではありません。ファンクラブの活動履歴、イベント参加状況、ソーシャルメディアでのエンゲージメントなど、多岐にわたるデータを統合し、顧客理解を深めるための重要な基盤となります。熊本ヴォルターズは、Creatioを活用してファンとの関係性を深化させ、個々のニーズに合わせたコミュニケーションを実現なさっています。単なる「顧客」ではなく、チームを支えてもらう「熱心なファン」へと育成し、さらには「共創パートナー」としての関係構築に成功している事例です。

人材を教育し、共創関係を現場で支援する意義

登壇:GLナビゲーション株式会社 代表取締役CEO 神田 滋宣さま

熊本ヴォルターズのDX推進において、重要な役割を担ってもらっているのがGLナビゲーションさまです。企業がDXを成功させるための戦略立案から実行までを支援するプロ集団で、教育とコンサルティングを専門としています。NPOやスポーツ団体などの実績もお持ちという、非常に心強い存在です。

同社には、熊本ヴォルターズの強みであるファンや地域、スポンサーとの強いつながり、ストーリーを活かせるように、丁寧に対応してもらっています。DXを推進するとはいえ、効率化を進めるあまり、取り組みが画一的・形式的にならない点にも配慮いただいています。そこで重視されたのが、現場を最もよく知るデジタル人材の育成と、ニーズやトレンドに柔軟に合わせられるシステムの内製化。その決め手となったのが、Creatioでした。

DX推進と人材育成の両立が、地域のファンを作る鍵
DX推進と人材育成の両立が、地域のファンを作る鍵

Creatioに注目いただいたのは、営業やマーケティングなど非エンジニアの方でも、現場のニーズに合わせてカスタマイズや変更が可能な、ノーコードCRMとしての柔軟性です。同社のメンバーは全員が、Salesforceなどマーケティングオートメーションのスキルを持つ、セールスマーケティングのプロ。そんな皆さんにCreatioの魅力を評価してもらったのは、大きな自信と誇りです。

スポンサー各社と売上金額の関係についても、フェーズごとのナーチャリング(見込み客から顧客への育成)という視点から解説いただきました。信頼を獲得し、応援してもらえる入口から、スポンサーが新しい次のスポンサーを紹介してもらえるリファラーの段階、そして、チームだけでなくスポンサーも応援してもらえるファンコミュニティーの形成。

一般的にスポンサー営業というと、依頼する側→される側という力関係になりがちです。しかしこれを、スポンサーをチームとしても相互に応援できる体制を作っていくことを目指して活動いただいています。商品やサービスを利用してもらうことで、ブランドに対してポジティブなイメージを持ち、それが、チームとスポンサー両方の支援につながります。

  1. 自社の強みを活かした「伴走型支援」
  2. BtoBで重要な、「組織間の信頼関係」
  3. 「内製化」と「組織全体での理解醸成」
共に価値を創り出すパートナー育成視点のDX
共に価値を創り出すパートナー育成視点のDX

ベンダー依存にない内製化をコンセプトとする同社には、顧客と伴奏することによる熱狂的なファン作りを示してもらいました。単にCreatioを導入するだけでなく、ビジネスプロセス全体の変革を見据えた専門知識と実践的なサポートが、熊本ヴォルターズのDX推進を強力に後押ししています。

ノーコードによるDX推進の本質は、ツールではない!

登壇:株式会社BlueMeme 代表取締役社長 宮脇 訓晴

BlueMemeは、熊本ヴォルターズのオフィシャルDXパートナーを務めさせてもらっています。『プロスポーツの分野でCRMが活用できるなら、面白いじゃないか?』と神田さんからお誘いいただきました。

弊社は、アジャイル手法とノーコード・ローコード開発プラットフォームを組み合わせることで、企業が迅速かつ柔軟にビジネスアプリケーションを開発・改善できる環境を提供しています。特に、プログラミングの専門知識がないビジネス部門のメンバーでもシステム開発に参加できる「シチズンデベロッパー」の育成を支援することで、IT人材不足に悩む多くの中小組織にとって、DX推進の強力なソリューションを提供しています。

BlueMemeグループは、ノーコード開発プラットフォームCreatio(クリエイシオ)の提供を通じて、企業のDX推進の基盤を支えています。Creatioは、金融や製造業など、世界の幅広い業界で使われている製品です。

Creatioには、大きく3つの特徴があります。よく『Creatioはどんなツールなのか?』と聞かれますが、『Salesforceとkintoneを組み合わせたようなツールです』とお答えしています。リード(見込み客)の管理や対応の自動化、営業活動の管理・自動化が可能です。データベースでそれぞれのデータを管理し、他のシステムにデータ連携できる点や、それがノーコードでできる点は、2つの製品のいいとこ取りしたツールといえます。

  1. AIとノーコードを組み合わせたアプリケーション開発
  2. 業界向けのワークフロー
  3. 柔軟なプラットフォーム
Creatioのマーケティング機能の例(UIは日本語対応済み
Creatioのマーケティング機能の例(UIは日本語対応済み

しかし、「ツール導入がゴールではない」という考え方を強調しました。企業のDXが失敗したり、なかなか進まないポイントの一つは、テクノロジーの導入にこだわってしまう点。単に新しいテクノロジーを導入するだけでは真のDXは実現せず、そのツールをいかに活用し、組織全体を変革していくかが重要です。そのため、Creatioの紹介というより、『自分たち自身の手で必要なシステムを開発し、変えられる状態を維持するDX』をコンセプトに説明しました。

Creatioのようなノーコードプラットフォームは、CRM機能を強化し、顧客データの収集、分析、活用をより効率的に処理します。さらに、強化されたAIとの連携により、顧客行動の予測やパーソナライズされたコミュニケーションが可能になり、ファンとの関係性をさらに深く、強くすることができます。BlueMemeは、こうした技術を通じて、企業が自律的にDXを推進し、新たな価値創造を支援しています。

課題はCreatioで解決できるものの、それがゴールではない
課題はCreatioで解決できるものの、それがゴールではない

共創とDXを支えるCRM:あらゆる企業に有効なDX戦略

セミナー後半のパネルディスカッションでは、3社が共創関係とDXの未来について深く議論しました。その中で浮かび上がったのは、地方企業や中小組織においても有効なDX戦略のヒントです。

1. 段階的なDX推進

大企業のような投資が難しい地方企業や中小組織では、まずCRMなどの特定領域からDXに着手し、成功体験を積み重ねることが重要。ノーコードプラットフォームを活用することで、スピーディーかつ低コストでプロトタイプを開発でき、現場のニーズに合わせて柔軟に改善していくことが可能に。

2. 現場主導の変革

IT部門だけでなく、営業、マーケティング、カスタマーサービスといったビジネス部門がDXの主導権を握ることが、成功の鍵。Creatioは、ITに不慣れなビジネスユーザーも、自分で業務アプリケーションを開発・改善できるため、現場の課題解決に直結したDXが実現する。

3. データ活用の重要性

CRMに集約された顧客データを分析し、そこから得られるインサイト(本音)をビジネス戦略に反映させる。それにより、パーソナライズされたサービス提供や効果的なマーケティング活動が可能になる。AI機能が強化されたCreatioとの連携により、データ分析の精度と効率はさらに向上する。

4. 共創関係の構築

顧客だけでなく、パートナー企業、地域社会、従業員、ファン(サポーター)など、あらゆるステークホルダーとの間に共創関係を築くことが、持続的な成長には不可欠。Creatioはそのためのツールであり、コミュニケーションとエンゲージメントを深める手段として活用されるべき。

DXで自社やブランドのファンを「共創パートナー」へ

熊本ヴォルターズの2025-2026シーズンは、いよいよ2025年10月4日(土)にアウェイの奈良で開幕、翌週11日(土)にはホームでもスタートします。前述のように、来季は、リーグ改変という大きな試練が待ち構えています。B2リーグ優勝という目標を達成して、さらに飛躍を遂げるシーズンになるように祈っています。

地方都市のスポーツビジネスの事例から学ぶことは、業種や規模を問わず、あらゆる中小組織に共通するDX戦略のヒントが詰まっています。CRMを核としたDXが、いかに企業と顧客、パートナーとの関係性を深化させ、新たな価値を創造できるかを示しています。DXは、単なる技術導入ではなく、企業文化や働き方、そして顧客やパートナーとの関係性を変革する「経営戦略」であるという認識が重要です。

ノーコードCRMのCreatioは、自社やブランドのファンを「共創パートナー」へと育成するための強力なツールとなり得ます。AI機能が強化され、マーケティングやセールス、サポートなどに幅広く使われています。ただし、ツールを使うこと自体が目的ではなく、そのツールを通じていかに顧客やパートナーとの関係性を豊かにし、ビジネスの成長と社会貢献につなげるか。この視点こそが、これからのDXに求められる真の価値です。


【Creatioは、自社の環境で、無料で試せます!】

Creatioは、CRMとBPM(ビジネスプロセス管理)機能を統合した、ノーコード開発プラットフォームです。ビジネスプロセスの自動化や顧客関係の最適化、迅速なアプリケーション開発を実現できます。

BlueMemeグループでは、Creatioの導入支援から活用まで、DX推進を包括的にサポートしています。Creatioにご関心をお持ちの方は、ぜひ無料トライアルでお試しください。

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