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カルチャー

DJプレイスタイルの基本はまずは自分が楽しむこと―DJ Tokinaga 1

リプリパ編集部

BlueMemeの社員には、音楽関係の人材が何人かいます。今回は、DJが趣味だという技術トレーナーのDJ Tokinagaさんに話を伺いました。

聞き手のリプリパ編集部員はDJに関してほぼ何の知識もないので、シンプルなグルーヴであれこれ尋ねてみました。果たして、4回の連載でこのフロアを湧かせられるのか!?

この記事でインタビューをした方

DJ Tokinaga
元パーソナルトレーナーのDJ

中学生の頃にHip Hopに出合い、大学生からお宅DJに。社会人になってから人前でDJを行うようになり現在も月1でDJを行っている。現在はHip Hop、R&BにアニソンやJ Popを全てアナログレコードでミックスするプレイスタイル。家族で新宿や渋谷にでかけた時にレコード屋に寄らなくていいの?と聞いてくれる妻に感謝!!

オーディエンスもだけど、まずは自分自身が楽しみたい!

― いきなりの基礎ですが、DJスキルってどんなことをやってるんですか?
Tokinaga:例えばこのDJ Kocoのプレイを見てみましょうか。下北沢のレコード屋でよく見掛けますけど。

彼は、レコードを手でこするスクラッチや曲芸風のジャグリングなど、いろんなテクニックを使いながら、2枚の曲をちょっと違う感じに聞かせています。しかも、違う曲のピッチを数秒で上手く合わせて、グルーヴも崩さないんです。

― ヘッドフォンを片耳だけにしてるのは、次に出す音も同時に、聴いてるってことですよね?
Tokinaga:はい。ヘッドフォンをしてる側で次の曲を聴きつつ、外してる方の耳では外で流れてる音を聴きながら、合わせるところを瞬時に探してるんです。

― 凄いな。
Tokinaga:他にも、いくつかDJプレイを紹介しましょう。一般的な、曲のつなぎのみでプレイしている人たちはこんな感じです。

― 今、ふと思ったんですけど、ただ音だけ聴いている人にとっては、元々そういう曲なんだって聴きますよね?だけど、実はいろんな曲をつないで仕上げてるんだっていうのは、同じ空間に居合わせるとか、元の音と比較されないと気付かないわけでしょう?だとしたら、聞く側が元歌を知ってる方が乗せやすかったりしないんですかね?
Tokinaga:それが、そうとも限らないんですよ。知ってる曲で人を踊らせるのはもちろんですが、知らない曲で踊らせられるのはさらに凄いじゃないですか。だから、DJをやってる途中で、参加者が『何のレコードを掛けてるんだろう』って見に来ると、ちょっと『勝ったな…』って気になります(笑)。

― そうなんだ!スクラッチ以外にどんな技術があるんですか?
Tokinaga:例えば、これは「ビートジャグリング」っていうんですけど、元の曲のリズムを敢えて崩してます。29:17からの10秒くらいの部分がオリジナルの曲で、29:41からビートジャグリングをやってます。

― DJって、変化しないはずのアーカイブメディアを楽器にしたようなものかも。やってる本人が楽しんでるのがいいですね。
Tokinaga:まさに、そうなんです。こんなことは誰も考えてなかったんですけど、一人のヤバい奴がやり始めると、皆が真似し始めるんです。

DJ同士が競い合うバトルスタイルもある

― 私、DOMMUNEっていう音楽や映画、文学などのカルチャー系YouTube番組をよく見てるんです。で、よくライブ中継番組の終わりで、DJプレイが延々と流れてるのをBGV的に流してたりします。
Tokinaga:渋谷にはホールもありますよね。

― です!まだ入ったことはないですが。先日、タイムラインに流れてきたのが、生中継されてた世界最大のDJ大会「DMC」だったんです。ああいうスタイルもあるんですね。

Tokinaga:DJバトルは、制限時間でスクラッチしまくって場を盛り上げ、勝敗を競うスタイルです。短時間で曲を組み上げるように、何ヶ月もセット練習の準備をするんです。決まったものを確実にプレイするテクニックが要求されます。

― なるほど。ライブではやってるけど、リアルタイムに変えているわけじゃないんですね。規定演技が決まってるところや様式美っていう意味では、ちょっとフィギュアスケートっぽさも感じました。
Tokinaga:逆に、さっき紹介したDJ Kocoとかは、DJバトルには出たことないんです。今はもう世界的にも凄く有名になってスキルもあるんですが、誰かと対決するより、本当に自由で楽しそうにやってる人なんです。

― DJっていっても、プレイスタイルもいろいろあるんですね。

バスケットボールのBGMとしての接点

― 実は、その「DMC」でびっくりしたのが、中学生と高校生のDJが参加してたんですよ!
Tokinaga:いかにも今時ですね。僕がDJを始めたのは20数年前の大学生の頃で、DJをやってる人は今よりも多かったんですけど。

― そうなんですか。DJブームだった頃なんですね。
Tokinaga:はい。当時の渋谷なんて、世界でも一番レコード屋がある街って言われてたぐらい、あちこちにありました。僕の周りにも、自称も含めてDJがいっぱいいました。ただ、ネットがまだ普及してなかったから、一部の教則ビデオ以外に情報が全然なかったんです。

― そもそも、DJをやってみようと思ったきっかけって何なんですか?
Tokinaga:元々、ヒップホップ系の音楽に特に強い興味を持って聴いていたんです。それで、いつか自分でもやってみたいなと思ってて。大学生になってバイト代を貯めて、機材を買ったんです。でも実は、きっかけらしいきっかけってなくて。というか元々、僕、音楽は別に興味なかったです。

― 面白い!前提をオーバライドする感じ(笑)。
Tokinaga:中学校の部活でバスケットボールを始めたときに、NBA(アメリカプロバスケットボール)に興味を持ったんです。で、選手のプレイのハイライトビデオって大体、BGMが流れるわけです。

― ノリのいいビートですよね。そういえば、今、この話を聞いている9月初旬時点で、沖縄で開催されているFIBAバスケットボールW杯が盛り上がってますね!
Tokinaga:そう。例えば、こんな感じ。だからゲームを見ていると、自然とヒップホップに触れていくことになったんです。

― ということは、DJってブラックカルチャーの影響も強いんですかね?
Tokinaga:はい。僕は、バスケットボールからヒップホップそして、ブラックカルチャーもすごく好きになりました。

― よく、3on3(通常のコートの半分を使い、3人同士のチームで対決する、スピード感溢れるバスケットボールのゲーム型式)の様子が流れるビデオでは、コート脇にでっかいラジカセを置いて、ヒップホップ系の音楽をガンガン流してたりするシーンがありますよね。
Tokinaga:高校生の頃は、まさにそういう形で音楽を流しながらボールを追ってました。

CDJからスタートした自己流の実践スタイル

― でも、情報が全然ない当時、具体的にDJをやるためにどうしてたんですか?地元の先輩とか、仲間が居たとか?
Tokinaga:いや、僕は全部、自己流でした。だから、うっかり最初に買ってしまった機材が、実はCDを回すCDJっていわれる機材だったんですよ。

― レコード用の一般的なターンテーブルじゃなくて?
Tokinaga:そうです。今、考えると何でそんなのに手を出したんだろう、と(笑)。ちなみに今は一般的には、高機能なCDJ機材もあるのですが、ほぼパソコンとソフトウェアを使ったPCDJにシフトしています。僕はアナログレコードを使ってDJしています。

― どんな機材かはよくわかりませんけど、どこか中二病的な時代の先取りは感じます(笑)。
Tokinaga:はい。当時はCDを結構いっぱい買ってたんです。なので『今からまたレコード買い集めるより、持ってるCDを使ってDJができたらいいかな』って買っちゃったんですよね。

― 合理的な考え方ではありますね。さっきの渋谷の話と似てますが、今も『世界でCDショップが現存している唯一の都市がTOKYO』って言われてるぐらいですし。そのCDJって、使い方は簡単でしたか?
Tokinaga:一応、説明書もあったんですけど、よくわかんなかったんです。それでもう、普通に毎日5~6時間経ってたり、そういう感じでした。習うより慣れろ式の。

― そういえばTokinagaさんって、トレーニングを担当なさっているんですよね?まさかそっちも、スパルタな指導方針だったりして…
Tokinaga:主に、新しく入ってきた人を対象にした社内のトレーニング担当ですが、こっちはちゃんと教材も揃えて丁寧にやってますよ(笑)。


実は元職が同じトレーナー職といっても、15年ほどフィットネスクラブの社員だったのがTokinagaさん。IT系の業務は未経験だったとはいえ、入社当時から指導役に就いたのは、ナレッジやセンスがフィットしていればこその役割なんでしょう。それに、IT業務の多くは体力仕事だったりもしますから…。

そんな、興味深い話を、次回からさらにあれこれリミックスしていきます。どうぞお楽しみに!

この記事でインタビューをした方

DJ Tokinaga 
元パーソナルトレーナーのDJ

中学生の頃にHip Hopに出合い、大学生からお宅DJに。社会人になってから人前でDJを行うようになり現在も月1でDJを行っている。現在はHip Hop、R&BにアニソンやJ Popを全てアナログレコードでミックスするプレイスタイル。家族で新宿や渋谷にでかけた時にレコード屋に寄らなくていいの?と聞いてくれる妻に感謝!!

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リープリーパー(略称:リプリパ)編集部です。新しいミライへと飛躍する人たちのためのメディアを作るために、活動しています。ご意見・ご感想など、お気軽にお寄せください。
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