働き方

福岡の魅力はラーメンや屋台だけじゃない!アジアの玄関口の今

瑞並 碧紗

私は東京で働いていますが、出身は九州の福岡市です。福岡出身の人は地元が好きな人が多い印象ですが、そんな私も地元の福岡市が好きです。福岡市出身の東京在住者が知る、福岡市のよく知られた・知られざる魅力についてご紹介します。

福岡よかとこ、こげなとこ

そもそも福岡といえば、博多ラーメンや辛子明太子、もつ鍋、水炊きといった食べ物、川沿いに並ぶ屋台や中洲の歓楽街、博多どんたく港まつりや博多祇園山笠といった祭が思い浮かぶ人も多いでしょう。

また、知る人ぞ知る、うどんや饅頭発祥の地でもあったりします。博多うどんは、麺にコシが無く舌でつぶして切れてしまうほど柔らかいのが特徴です。種類としてはごぼ天(ごぼうの天ぷら)うどんや丸天うどんがメジャーです。

あとはプロ野球の福岡ソフトバンクホークスとかですかね。ちなみに、この写真には、左端にホークスの本拠地PayPayドーム、ヒルトン福岡シーホーク、そして中央に福岡タワーという「福岡3点セット」が写っています。

大体こんなイメージでしょうか?

PayPayドーム、ヒルトン福岡シーホーク、そして福岡タワーの「福岡3点セット」
PayPayドーム、ヒルトン福岡シーホーク、そして福岡タワーの「福岡3点セット」 写真提供:福岡市

少し統計的な話もしておきます。福岡市は、人口が約163万人(2023年3月時点の推計)と全国第5位の人口を擁する市で、九州地方最大の都市です。20ある政令指定都市の一つで、少子高齢化している日本の中で、人口が増えている数少ない都市の一つでもあります。

▼福岡市 福岡市推計・登録人口(最新)|福岡市公式サイトhttps://www.city.fukuoka.lg.jp/soki/tokeichosa/shisei/toukei/jinkou/jinnkousokuhou.html

気候はというと、年間を通じて比較的温暖です。ただ、東日本の人がよく驚くのは、『福岡の冬がこんなに寒いとは思わなかった!』ということです。福岡市は日本海側に面しているので、冬場はそれなりに寒い日があるんです。ただ、雪が降っても、都心部の交通がストップするような量までは積もりません。
ちなみに、2023年1月には、鹿児島に10年に一度の大寒波が襲来して、雪化粧した桜島がニュースになっていました。福岡から離れた鹿児島も、同じ「九州」というざっくりした範囲でまとめたがるのも、東日本の人あるあるだったりします。

福岡と博多って、同じ?違う?

ところで皆さん、「福岡」という名称ですが、同様に「博多」という呼称もよく耳にするかと思います。「福岡」と「博多」の違いをご存じでしょうか?

那珂川を挟んで、左側が博多(にある中洲)、右が福岡(さらに天神) 写真提供:福岡市
那珂川を挟んで、左側が博多(にある中洲)、右が福岡(さらに天神) 写真提供:福岡市

福岡市の中心部は、東側の「博多」と西側の「福岡(天神)」に分かれています。上の写真は北から両者の境界にあたる中洲地区を撮影した写真ですが、左が「博多」で、右が「福岡(天神)」です。 
これには歴史的な背景が絡んでいます。古来「博多」と呼ばれていたこの地に、黒田氏が「福岡城」を築いたことにより、その城下町を「福岡」と呼ぶようになりました。この「福岡」の由来として、黒田氏に縁のある備前福岡(岡山県瀬戸内市長船町福岡)から取ったとする説と、福岡城が築かれた「福崎」という地の丘陵地からきたという説があります。
城下町ができて以降、現在の福岡市中心部を南北に流れる那珂川を境に、西が「福岡」、東が「博多」と呼ばれるようになりました。つまり、「福岡」は武家町、「博多」は商人町なんです。
その後、明治初頭に「福岡」と「博多」は一つになり、市制を施行する時に「福岡市」となりました。また、政令指定都市になった時に「博多区」が誕生しました。福岡市中心部をまとめて呼ぶ時に「福博のまち」と呼ばれることがありますが、「博多市」が存在したことは歴史上一度もありません。でも未だに報道ですら間違って使われることもあります。

中心部から近い空港が、さらに近くなった!

福岡市は、空港が都市部にあってとても近いことも特徴です。福岡市地下鉄で「博多」から2駅で約5分、「天神」から5駅のたった10分程度で到着します。ただ、コロナ禍4年目で人の移動が戻りつつある中、福岡空港の大混雑ぶりがちょっと心配です。

今年2023年3月には延伸開業して、今まで不便だった南西部から福岡空港までがもっと便利になりました。この工事では、2016年11月に大規模な地盤崩落事故が起きました。犠牲者が1人も出ることなく、復旧工事もわずか1週間で完了したことで、国内外の多くのメディアで報道されました。予定から2年遅れの、悲願の開業です。

▼七隈線(天神南~博多)延伸 | 福岡市地下鉄https://subway.city.fukuoka.lg.jp/nanakumaline_extension/

街の様子がどんどん様変わりしている福岡市内中心部
街の様子がどんどん様変わりしている福岡市内中心部

そもそも、福岡空港がこんなに近いのは、「板付飛行場」と呼ばれていた終戦間近にはまだ郊外部で、辺りには田畑が広がっていたような場所が、都市化で取り込まれたからなのです。一方、福岡市に初めて鉄道が敷設されて駅がつくられた場所は、市内中心部を流れる那珂川よりも東の「博多」であったため、「福岡駅」ではなく「博多駅」となりました。
博多より東にあるのに「福岡空港」、そしてJRの玄関口は「博多駅」。さらに天神には、私鉄である西日本鉄道の「西鉄福岡(天神)駅」があります。付け足すと、福岡大学は私立で、国立大学は旧帝大の九州大学。ちょっと混乱しますよね。
(さらにいうと、「福岡駅」は富山県にあるみたいですよ。北陸新幹線の金沢までの開通に伴って、JRではなくなってしまったようですが…)

アジアから世界への玄関口としてのFukuoka

福岡は大陸とも近く、古くから国際交流の最前線でした。距離で言えば京都や大阪よりも朝鮮半島の方が近いくらいですからね。そのため、大陸から入ってきたさまざまなものが日本に広がっていった、アジアの玄関口としても機能してきました。

そんな歴史的経緯のある福岡市は、「国家戦略特区」に指定された都市としても知られ、今でも人や情報、ビジネスのフロントドアとして国内外に開かれています。国家戦略特区とは、日本の経済活性化のために、地域限定で規制や制度を改革し、その効果を検証するために指定された区域のことです。福岡市は「グローバル創業・雇用創出特区」として、産学官が連携して、スタートアップの創業支援と雇用の創出に取り組んでいます。災害の影響だけでなく、東日本大震災以降、本社機能の一部を福岡市に移したり、機能を強化させた企業もあります。

▼福岡市 FUKUOKA 特区通信|国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」https://www.city.fukuoka.lg.jp/soki/kikaku/fukuoka_tokku_top.html

元小学校のスタートアップ施設Fukuoka Growth Next
元小学校のスタートアップ施設Fukuoka Growth Next

イギリスの雑誌「MONOCLE」が発表する「世界で最も住みやすい都市ランキング」には、福岡がよく取り上げられています。2022年6月に発表された「バランスのいい日本の都市」では22位にランクイン。近年、福岡市は市内中心部の各地でビルが次々と建て替えられ、街の景色もどんどん変わっています。まだ行ったことがない人もある人も、スタートアップよりごぼ天うどんに挑戦してみたい人も、ぜひ新しい今の福岡へ足を運んでみてください。

▼MONOCLEサイト内で「福岡」を検索|MONOCLE公式サイト
https://monocle.com/search/?keywords=Fukuoka

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
瑞並 碧紗
瑞並 碧紗
プロフェッショナルローコードエンジニア
福岡出身の若手ローコードエンジニア。新卒の頃から業務系ウェブアプリの開発をしています。地元が好きで、食文化の違いに未だに戸惑っています。趣味はアニメや、軽くゲームをするオタク系女子です。
瑞並 碧紗の記事一覧

記事URLをコピーしました