ローコード・ノーコード

レゴを使ったプログラミング学習は未経験者にもいい-DJ Tokinaga 2

リプリパ編集部

ローコード開発プラットフォームOutSystemsのトレーニングについて、BlueMemeの技術トレーナーDJ Tokinagaに話を聞いています。組織内の人材教育と言えば、業界を問わず人材不足が叫ばれています。何と言っても、今年は、現役世代の大量退職による弊害が警告されている「2025年の崖」直前のラストイヤー。人材不足やアフターコロナで、トレーニングは何が変わったのか?ぜひ、前回から。

OJTもやれなかった、出たとこ勝負のコロナ禍

―ちょうど、4年前の年度末と言えば、新型コロナウイルスの感染拡大に合わせて、いろんな状況がどんどん変わった時期でした。社会全体が未経験のことばかりで、『インターンシップやOJTが全然できない!』という悲鳴も見聞きしました。あの頃の状況や、その後、一時期は定着してたけど、結局、元に戻したことなんかありますか?

DJ Tokinaga:それが、実は僕もちょうど2020年1月に入社したばかりで、新卒者のトレーニングを担当するのが初めてだったんですよ。ちょうど、オバキューさんが記事に書いてた時です。トレーニングが始まってほんの数日で、完全にオンラインに切り替えざるを得なくなって…。だから、取りあえず出たとこ勝負で手探りしながらやったって感じです。今は、基本は出社が前提なので、新人さんたちもトレーニングは全部対面でやってます。

―なるほど。世の中すべてが常に出たとこ勝負ですしね。それに、トレーニングに限らず、オンラインのコミュニケーションには限りがあることを、一番分かってるのが実はテック企業だし。しかし、これから社会に出てくるマスク+リモートネイティブな世代との、意思疎通のハードルはさらに上がってる気も…。

レゴを使ったトレーニングを導入してみて

―去年から、トレーニングに新しくレゴを導入されたんですね。調べたんですけど、プログラミングで動かせる仕組みがあったり、オンラインゲームのFortnite(フォートナイト)と連携してたり、知りませんでした!これはやっぱり、アウトプットを肌感覚で実際に目や手で確認しながら、プログラムの仕組みを理解していこうという意図があるんですか?

DJ Tokinaga:そうですね。レゴには、SPIKE(スパイク)って言うアプリケーションがあるんです。これで、例えば足がぐるぐる回る「虫」みたいなものを作ったりします。それを、なるべく早く移動させるには、どんなパーツを組み合わせたり、モーターの回転数をどうすればいいか、そういったことをやってくんです。

プログラミングのことを全く知らない人が、パソコン上で何かのアプリケーションを作ったりって、なかなか実感が湧かないでしょう?それを、具体的にイメージするには凄くいいなって思ってます。

【SPIKE™ プライム 】1.箱を開けて使ってみよう~利用開始編~ – YouTube

―楽しそうですね。画面上で自分が入れた数値や式の結果がどうなるかを、具体的に確認できますし。

DJ Tokinaga:楽しいですよ。僕の机の上には、SPIKEを使ってその日の天気情報をオンラインから取ってきて、いろんなポーズを取るかわいいキャラクターがいます。

結局プログラミングって、何か作ってみて、検証や改善することの繰り返しなんです。それをレゴというより身近な形で見える化して、実際手に取ったり動きとして感じられるのは、最初の導入として素晴らしい仕組みです。

―なるほど。自分で作ったものがその場ですぐ、フィードバックとして見えるの、いいですね、何か、ちょっと羨ましいというか、ズルい(笑)。
そうそう、レゴっていろんな拡張モジュールがあって、例えば医療で使うMRIがあるらしいんですよ。これは一般向けじゃなくて、病院の医療関係者の教育用とか、患者に仕組みを説明して不安を和らげるのが目的です。2015年のプロジェクトでは、限定600個が世界の病院に無料配布されたそうです。

DJ Tokinaga:なるほど。これも学習用教材なんですね。日本の病院にもあったりするんですかね?

―凝るのが好きな関係者は、パーツを組み合わせて、日本の現場にある本物っぽくカスタマイズしてるらしいです(笑)。新しいことに対するアプローチとして、学ぶ人に合わせた体験で不安を取り除いたり、遊んで楽しみながら覚えていく。そして、学びを提供する側も一緒に楽しむってのは、やっぱりどんな分野でも有効なんでしょうね。

RPGとしてのトレーニングに取り入れた「クエスト」

―トレーニングは、いろいろやっていく中で改善点が見えてくるたびに、アップデートしているんですか?

DJ Tokinaga:はい。BlueMemeでは、社長の松岡さんが『人生はRPG(ロールプレイングゲーム)だ』ってよく言ってます。トレーニングにも力を入れてるんで、常に意見交換しながら、内容も少しずつ改善していってます。

去年は、新しく「クエスト」という仕組みを考えて提供しました。これは、ITサービスやツールを使う以外の、本当に仕事にありそうな「お題」を出して、それをいろいろクリアしながら実際の業務を学んでもらう仕組みです。

―具体的には、どんな「お題」があるんですか?

DJ Tokinaga:例えば、誰かと予定を調整して、実際に会議室を予約してその人と1on1を実施したり。オンラインでミーティングに参加する人もいるなら、スピーカーやマイクのセッティングをする。もし、ハウリングが起きた時にどうすればいいかも、クエストの中でやったりしてます。基礎から段々慣れてもらって、お客さんに渡す資料を作ったりもしてもらいます。

―オフラインまで含んだ、かなり実践的なテーマですね。
さて、そのレゴとクエストなど、トレーニングの内容を変更してちょうど1年ですが、成果はどうですか?

DJ Tokinaga:正直、そこはまだはっきりしてないんです。ただ、何れは、例えば「プログラムで変数を扱うことが理解できているか?」のようなテストで、『レゴを使う前後で平均点が30点上昇したから、やっぱり初心者にも理解しやすいかも!』というような、明確な数値の評価が必要かもしれません。

自分の興味にハマったことがあれば、理系文系関係ない!

―BlueMemeもOpenModelsも、熊本や沖縄、福岡オフィスの新設や拡張に合わせて、本社の東京も含めて、毎月のように新しいメンバーが増えてるみたいですね。トレーニングの仕事も増えてるんじゃないですか?

DJ Tokinaga:そうですね。年度の途中でも、中途の方が入って来られるんで、その方たちに向けたトレーニングも引き続きやってます。今は、去年アップデートした内容を見直したりしています。

―人が増えるだけじゃなく、社会人経験がないまっさらの人以外に転職組の人もいるし、ソフトウェア開発の経験がある人・ない人、いろんな属性の人がいると思うんですけど、全員ケアしていくって相当大変じゃないですか?

DJ Tokinaga:開発経験がある方に関しては、ローコード・ノーコードツールのトレーニングを別に提供しています。また、チーム内では、個別にトレーニングをやってるところもあるようですし、エンジニアはより高度で専門的な内容を扱う勉強会を、定期・不定期にやってます。

従来は、『この日時にトレーニングするので、みんな一斉に講義を聞いてください』と言った、義務教育のような横並びでやってたんですよ。それを去年からは、それぞれ自分のペースで進められるようにしています。自習である程度進められる教材を準備しておいて、早く進んでいく人はもうどんどん早く進んでもらい、ゆっくりめの方は自分のペースで理解できるようにやってもらう、寺子屋スタイルです。なので、経験の違う人たちが同じタイミングで入ってきたとしても、一応対応できるように徐々になってきてます。

―なるほど。でも、BlueMemeって会社はなぜか、IT企業なのに文系人材も積極的に採用してますよね。もちろん、将来を見据えてってことでしょうけど、そうは言ってもやっぱり、ソフトウェア開発の向き不向きってあるんじゃないですか?そういうのは、トレーニング段階で何か判断してたりするんですか?

DJ Tokinaga:確かに、向き不向きは正直あります。でも、もう文系・理系って時代ではないとも思ってます。今までに、自分が何か興味があることを極めたり、のめり込んだことがある人なら、それをプログラミングでやりたい!って思えば、それなりにできるような気はしてるんです。


…として、この後に話してもらったのが、まさに趣味のDJの話!自分が欲しいモバイルアプリを、OutSystemsで自分で作りながら覚えたのがきっかけだそう。まだまだ興味は尽きません!次回へGO!

一般の皆さんにご参加いただけるOutSystems公式トレーニングや認定資格試験は、定期的に実施しています。ぜひお気軽にご参加ください。

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