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テクノロジー

未経験者が建設現場の機械を操作して働ける!?遠隔就労という未来

リプリパ編集部

浜松町にある架空のカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」では、いろいろな業界の人たちのトークを小耳に挟むことができます。この、毎週月曜日19:00に放送されている文化放送のラジオ番組では、経営学者の入山章栄さんがマスターを務めていす。早稲田大学ビジネススクール教授の入山さんは、テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』などでコメンテーターとしても知られています。

先日、この「浜カフェ」に、一般社団法人SPACETIDE 代表理事兼CEOの石田真康さんと、株式会社ジザイエ 代表取締役CEOの中川純希さんが来店していました。そこで取り上げられていたテーマ―自動化と遠隔操作について、リープリーパー視点で考えてみました。前回の、石田さんの宇宙の話と合わせてお読みください。

建設現場や工場を、遠くから誰でも働ける場所に

中川さんのジザイエは、ロボティクスを通じて、すべての人が時空を超えて働ける世界をビジョンとして掲げている企業です。

「自在化身体」「遠隔就労プラットフォーム」というキーワードが印象的でした。人間拡張工学という技術領域として、『アイアンマン』のパワードスーツや、『サイボーグ009』のような人体そのものの拡張系がある一方で、人が外部から操作する『鉄人28号』系は意外とないというのは興味深い点でした。

建設 x ITといえば、ドローンや搬送型ロボット、ヒューマノイド型ロボットがすでに活躍しつつありますが、この分野ではコマツ(株式会社小松製作所)がよく知られています。建機革命とも言われた「KOMTRAX」を20年以上前に開発し、建設機械のコックピットそのまま遠隔地で再現したり、経験豊富なオペレーターが操作する仕組みです。

これに対して、中川さんたちが目指しているのは、建設機械や分析装置、ベルトコンベアーなどを操縦したことがない人でも、スマホやタブレット、ゲームのコントローラーなどで、誰でも直感的に操作できる遠隔就労の未来です。これは、アフターコロナの社会で、リモートワークが難しいブルーカラーやエッセンシャルワーカーの人たちにも、新しい働き方の可能性を広げます。

これは、ソフトウェア開発の経験がない非IT人材をDX人材にできる、ローコード・ノーコード開発プラットフォームが活躍できる状況にも通じています。一般市民としての開発者「シチズンデベロッパー」を、新たなDX人材として育成することで、職業選択の自由が限られたり、平均賃金が低く抑えられている地方に新たな雇用を生み出します。また、子育てや介護で一旦は休職・離職しなければならなかった人のリスキリングなど、埋もれた貴重な人材発掘にもつながります。

前回の記事で紹介した石田さんの宇宙の話と同様に、通信が大きな課題として挙げられていたのも興味深い点でした。建設現場は山間部など通信インフラが整っていないため、映像や電気信号の遅延が起きてしまう。高速大容量・低遅延が期待される5G/6Gも、障害物や距離による低減が起きる。最大限に接続できることを目指すベストエフォートではダメな、クリティカルな動作が要求される場合、専用線を引けばもちろんコストが嵩む。もちろん、バックアップ回線も必要。すでにプロジェクトが進んでいる現場に途中から入り込むのは難しいので、初期段階から遠隔化を考慮に入れた環境整備が不可欠。そういう、さまざまな課題を指摘されていました。

労働生産人口が減少する中、DX人材をどう育成するか?

建設や物流業界で非常に深刻な問題が、労働環境の改善によって残業が制限される2024年問題です。

この対策として例えば、ロボットやAIで自動化だけでなく、二交代制・三交代制勤務が考えられます。日本が夜間になる時間帯に、海外の昼間の人が働くシフトは、ソフトウェア開発ではオフショアやニアショアとして一般的です。

ただし、建設業界では現場に必ず人間がいる必要があり、海外どころか東京・大阪間でも、実現できません。トラブルが起きた時の緊急停止も、遠隔操作とは別の経路で処理する仕組みが要求され、現状では、建設現場の一角で使われることがある程度です。

もし、遠隔就労が実現すれば、今までは現地で人間が判断して処理していたことが、確実にログが残ります。属人性がなくなることで透明性・客観性が担保され、問題が起きた時に原因を究明しやすくなるのは、大きなアドバンテージになるでしょう。トラブルが起きた時も、インシデントのアラートが来て、機械の再起動で解決できる場合は遠隔地から操作できます。そして、現場に人が行かなければならない時だけ、人が対応すればよくなります。未経験者でも遠隔操作できるようにしておくことで、世の中のありとあらゆる仕事が、専門でない人でも遠隔で働けるようになります。

もちろんそのためには、法律や規制の変更、安全性や衛生面などのセキュリティー、人材教育などが不可欠です。遠隔操作だけでなく、環境を常に把握しながら自律的に動く高度な技術との併用が必須です。

となるとやはり、ゲームをしたり自分でコンテンツを作りながら、ビジュアルプログラミングの経験を積んでいる子供たちは、次世代のリモートワークネイティブな世代と言えそうです。Minecraftで建物を建てて遊んでいるうちに、遠隔地ではリアルなビルが建つような未来もあり得るんでしょうか。

デジタルツインの精度と、コストや時間とのバランス

機械や施設、人を仮想空間上に作り上げるデジタルツインは、お二人の分野でも非常に期待されているようでした。第2の月や第2の火星、ロケット、宇宙ホテル、建設現場や工場、倉庫などを仮想的に再現し、現地の映像と実際に作動するロボットを組み合わせて操作する。タイムラグは、仮想的なフィードバックで人間にとって違和感なく補完する。デジタルツインが実現する可能性の話は、とてもワクワクさせられることばかりでした。

しかし、単なる仮想空間であれば、今でもある程度実現できるものの、それはあくまでも仮想に過ぎません。業務として活かすのであれば、本物の環境をリアルに再現できることが重要です。とはいえ、精度を高めれば高めるほどコストと時間が掛かり、通信遅延という問題もあります。また、未経験者が操作しやすく、事故が起きない安全策を施したり、エンタメ用の演出を加えるにも、ギャップやバランスが課題となるでしょう。


自動化にしても、遠隔操作にしても、人間の心理や感覚をどうシステムに組み込んでいくか?誰がサービスを保証し、何かトラブルが起きた時に、どこに責任の所在があるか?…自動運転車や生成AI、裁判や医療へのAI導入にも通じる課題に対して、未来を見据えた環境やルール作りが急務だと感じました。

この番組はPodcastとしても配信されています。ぜひ、臨場感を耳からもお楽しみください。

2回の記事でご紹介してきましたが、この番組は非常に刺激的な放送でした。最先端の宇宙工学と建設の現場は、想像以上にソフトウェア開発のトレンドとシンクロしていました。そこでは間違いなく、ローコード・ノーコード開発プラットフォームが活躍していることでしょう。リープリーパーは、テクノロジーの進化と共に見逃せない業界の動きを、引き続きウォッチしていきます。

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