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DX

仕事も育児もアジャイル!DXに必要な母親エンジニアの意義

リプリパ編集部

前回の記事では、女性がITエンジニアとしてキャリアを積むことと、子育てを両立させる上でのさまざまな課題について、統計を見ながら考えてみました。即効性がある確実な改善策がないことは承知の上で、何か少しでもヒントになることがあるのではないか…そんな話を続けてみます。

声を上げながら、対話を続けることの重要性

IT業界ですらまだまだ男性比率が高く、旧い体質の組織や業界、地域では男女不平等が存在しています。女性ITエンジニアが子育てをしながら仕事を続けることは容易ではなく、同僚やチームから孤立してしまうのもよく聞く話です。組織の制度や管理が不十分だと、子育てをする社員の柔軟な働き方は独身若年層の負担と犠牲によって支えざるを得ず、ストレスフルな対立を生んでしまいます。 仕事と家庭を両立させるには、スケジュールやタスクを調整するだけでなく、場合によっては、ハラスメントや差別などのネガティブな課題にもスポットを当てざるを得ません。厚生労働省が発表した、令和2年(2020年)度の男女の雇用機会均等に関する相談内容では、妊娠出産についてのいわゆるマタハラやセクハラ、健康管理など、さまざまな現場の課題が報告されています。

男女の雇用機会均等に関する相談内容
男女の雇用機会均等に関する相談内容
参考:令和3年版働く女性の実情|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/21.html

残念ながら、これらの課題がすぐに解消することはなさそうです。しかし、2023年4月の育児・介護休業法の改正で、1,000人以上の組織には年一回の公表が義務付けられました。働く母親たちの働きやすさを判断するには、女性ではなくむしろ男性の育児休暇取得率に表れることを考えると、小さなステップとはいえ前進であることは間違いないでしょう。

▼男性の育児休業取得率等の公表について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533_00006.html

そもそも、一つのチームでできることは限られます。地味なアクションかもしれませんが、組織全体に留まらず、行政や教育機関、地域、民間など、さまざまな機会を通じて、この問題について話し合い、声を上げつつ、相互理解を深めていく必要がありそうです。

働く母親ITエンジニアに必要な環境づくり

  • 育児休暇や時短勤務制度の導入
  • キャリア体制の整備、透明化
  • ハラスメント防止策
  • メンター制度やリーダーシップ研修
  • 先輩ワーキングマザーやロールモデルからのサポート
  • 効果的なコミュニケーションチャンネルの工夫
  • リスキリングプログラムの提供
  • 同じ悩みを抱える社内・社外のコミュニティーに参加

仕事も育児も、実は結構アジャイル!?

一部の当事者に聞けば、育児と仕事の両立そのものが予期しないことの連続なので、IT業界に限らずアジャイルにならざるを得ない様子がわかります。いや、ということはエンジニアとしてノウハウの一部は、子育てに活かせるかもしれませんね。

必ずやりたいこと・やれたらいいなと考えていることを、機能要件・非機能要件で整理してみる。ただし、要件変更やバグは当たり前という前提で設計する。目の前に迫る課題と、長期的な目標との優先順位を判断する。初めてチャレンジすることには、パートナーとペアプログラミングの要領で取り組む。試した結果をすぐに実践で反映させ、スピーディーに改善していく。テクノロジーやデバイスで解決できるなら、自動化・省力化・効率化を厭わない。ステークホルダーとの行き違いは、コミュニケーションの課題。頼れる人や仕組みがあるなら、サポートとして信頼できるパートナーに外部委託する。

実際に、ITエンジニアが、パートナーとの家事分担を、開発業務のプロジェクト管理の感覚でやってみて、上手くいった・ダメだったとか、フローチャート化して整理してみたという話題も、ソーシャルネットワークでよく目にします。実際にアプリや流用できるサービスもいくつもありますし、肯定派・否定派どちらの意見や経験談にも、注目すべき点が少なくありません。

また、アジャイルなスタイルで実践することは、前述のITエンジニアとしてのリスキリングとも関わりがあります。従来の厳密な計画を設計し、着実に進めていくウォーターフォール型開発の特徴とメリットは活かしつつ、現場のニーズに柔軟に対応していくアジャイルな手法は、変化のスピードとレベルが大きい現代では必須です。LeapLeaperの記事でも、ウォーターフォール開発しか経験がなかったエンジニアが、アジャイル開発に挑戦する経緯を語ってくれました。こちらの記事にも、ぜひ目を通してみてください。

そこで鍵となるのが、プログラミングコードをほとんど、もしくは全く書かないローコード・ノーコードです。その人でないと回らない属人化したタスクを極力減らし、小さなモジュールに分割する。人のスキルに頼ることを極力減らすことで、バグのリスクを最小化できる。メンタルとフィジカルの両方を削られるゼロベースのスクラッチではなく、既存のサービスやツールを賢く組み合わせる。これらはすべて、育児にも通じる点かもしれません。

ITエンジニアの不足が業界全体で深刻な問題になっていますが、ローコード・ノーコードの経験を持つDX人材には大きな期待が寄せられています。比較的経験の浅いエンジニアでもキャリアを積むことができますし、オンライントレーニングなどの学習リソースも充実しています。地方都市には、仕事とプライベートの両面で選択肢がないことが問題になっていますが、元々、リモートワークとの親和性が高いITエンジニアなら、場所や時間帯に縛られることなく、選択肢を広げるチャンスがあります。

母親兼ITエンジニアの両立は、DXのヒントでもある

FinTech(フィンテック:経済)やMedTech(メドテック:医療)、EdTech(エデュテック:教育)など、その業界の課題をテクノロジーで解決するDXは、総称してXTech(クロステック)と呼ばれています。そのうちの一つで、熱い注目を集めているのが、FemTech(フェムテック)。月経周期チェックや妊娠、出産、不妊治療、中絶、乳がん・子宮ガンなど、女性特有の健康やライフスタイルの課題をITで解決するには、当事者である女性たちの存在が不可欠です。

子育て中の母親エンジニアがストレスを感じている、このやり方は本当に合理的なのか?必ず人の手が介在しなければならないのか?課題解決とビジネスチャンス拡大の両方をまとめて実現できないか?そもそも、母親が子育てと仕事を両立できる仕組みは、家族の介護や障害者支援などの仕組みや相互理解にもつながることを考えると、男性や独身者にも恩恵が少なくないはずです。ビジネスという面でも、ワークスタイルの面でも、ワーキングマザーとしてのITエンジニアが働きやすい環境づくりは、誰にとっても関係があるDXの大きなヒントになるでしょう。


最後に、前回の記事の冒頭で紹介した都道府県版ジェンダー・ギャップ指数を元にした、元鳥取県知事の片山善博さんの記事を紹介しておきましょう。30年という長い時間を掛けて、粘り強く組織改革してきた話には愕然とさせられる一方で、記事の末尾にある言葉には、ささやかな希望も感じます。

『長時間労働から解放され、成果にもつながる。何より、男女で力を合わせた方が楽しく働けませんか』

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