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カルチャー

新社会人がパダワン(弟子)として体感した「STAR WARS」の教え 

空歩

2015年の12月、10年ぶりに「STAR WARS」の続編が公開され、2017、2019年の12月にもさらに続編が公開されました。SF映画の金字塔とも言えるSTAR WARSは、実は「人間関係」をテーマに描かれていると言ってもいい作品です。

私は今年の4月、新卒でBlueMemeに入社しましたが、パダワン(見習いの弟子)1年生としての「人間関係」とSTAR WARSの名言と絡めて、STAR WARSを紹介していきます。

『STAR WARS スター・ウォーズ』とは

歴史ある超人気大作シリーズとはいえ、まずは、STAR WARSを知らない方や、途中まで見たことがあるけれど忘れた方たちに向けて、作品の概要を紹介します。STAR WARSは文字通り「宇宙戦争」を巡る物語です。「フォース」という不思議な力を持った「ジェダイ」や「シス」と言われる戦士たちが、「ライトサイド(ライトセーバーの色が赤以外)」と「ダークサイド(ライトセーバーの色が赤)」に分かれて宇宙戦争をする、壮大なスケールのストーリーです。

STAR WARSは全部で9エピソードある作品ですが、大きく分けて3部作に分かれます。エピソード4、5、6が「旧3部作」、エピソード1、2、3が「新3部作」、エピソード7、8、9が「続3部作」です。各3部作にはそれぞれ主人公がいて、旧3部作はルーク、新3部作はアナキン、続3部作はレイで、各3部作は各主人公の人生を中心に物語られています。作品を見ると、ただの宇宙戦争ではなく、「人間関係」や「生き方」を考えさせられるのは、この主人公の存在があるからです。

▼「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」| Prime Video
https://www.amazon.co.jp/dp/B00VLAV83Q/

ちなみにエピソード1〜6は、STAR WARSの生みの親ジョージ・ルーカスが制作指揮を務め、ルーカスフィルムが制作していました。その後、エピソード7公開前にルーカスはルーカスフィルムをウォルト・ディズニー・カンパニーに売却しました。そのため、続3部作はルーカスでない監督が制作指揮を執り、エピソード7〜9は完全オリジナルのストーリーになっています。

ちなみに、私は父の影響でSTAR WARSを好きになりました。父は、コーラにおまけでついてくるキャラクターのストラップ12種を、保存・使用・予備で集めるために、40本ほど買ってくるようなオタクです。血は争えません。

STAR WARSは、公開順で見よ!

ここでSTAR WARSの構成が面白いのが前述の通り「エピソード4」がSTAR WARSの最初の作品だという点です。公開順で並べると、4-5-6-1-2-3-7-8-9という順番です。旧3部作が1977年5月25日にアメリカで公開され、新3部作はその約20年後の1999年5月19日に公開されています。さらに続3部作は、約15年後の2015年12月18日に公開されています。

他の作品と違い、エピソードの番号順ではないので、まだ見たことない方はどの順番で見ればいいのか迷うかもしれませんが、私は2つの理由から「公開順に見る」ことを強くお勧めします。

映像技術のギャップをなくすため

最初のエピソード4は、1977年公開の作品です。当時はCG技術も発達しておらず、パペットを使って、いろんな部族・生物を動かしていました。ウーキーやC-3POといった人型の生物はもちろん、R2-D2というドロイド(便利なAIロボット)には中に俳優が入って、主人公ルークの師であり「ジェダイマスター」のヨーダは、パペットを使って演技をしていました。なので、2000年代の新3部作を見た後に旧3部作を見ると、映像として残念に見えてしまいます。

R2-D2はドロイドで戦闘機を修理したり、システムにハッキングをかけたりします。ドロイドは働き手として重宝され、共存していますが、R2-D2は特にジェダイの相棒という感じで、STAR WARSの癒し枠です。

エピソード5(1980年公開)のヨーダがこちら。手の振動で耳が震えて、質感もいかにもパペット感がありますね。ヨーダの年齢はこの時900歳近くなので逆にリアリティがありますね。

エピソード3(2005年公開)のヨーダがこちら。CGで描かれているので、ヨーダが得意とする激しい動きが描かれています。

エピソード4から始まった映画のため

監督は、『何か意図をもってエピソード4から公開した』と考えながら、作品を楽しむことができます。アニメや映画での楽しみの一つに伏線回収がありますが、エピソード4から見ることで、新3部作でほぼすべての伏線が回収されます。

師弟関係が銀河を揺るがす?

ここからは、STAR WARSの人間関係と私の会社での人間関係を紐づけて解説していきます。

STAR WARSの世界には師匠と弟子、マスターとパダワンと呼ばれる関係がしばしば出てきます。師匠は弟子に対し、持ちうるすべての技術・知識を伝授します。マスターに対して、同時期に弟子を複数持つことは「ジェダイ・コード」で禁止されており、シス卿も同時期にシスが3人以上存在してはいけないという「2人の掟」があります。師匠と弟子はその期間、共に行動するため、フォースでつながれた兄弟・姉妹のような関係を築いていきます。

Q
スター・ウォーズの主人公関連の相関図
スター・ウォーズの主人公関連の相関図
スター・ウォーズの主人公関連の相関図 参照:TM & Lucasfilm Ltd.

しかし、師匠と弟子の関係はすべてうまくいくとは限りません。STAR WARSの中で一番有名なのは、ジェダイの戦士であるオビ=ワン・ケノービと、新3部作の主人公であるアナキンという師弟関係です。アナキンが、ジェダイの模範となる掟「ジェダイ・コード」に背いたことで彼らの関係は悪化し、最終的に銀河系の構図を変えるほどの闘争にまで発展してしまいます。

以下が、ジェダイ・コードの内容です。

感情はなく、平和がある。    There is no emotion, there is peace.

無知はなく、知識がある。    There is no ignorance, there is knowledge.

熱情はなく、平静がある。    There is no passion, there is serenity.

混沌はなく、調和がある。    There is no chaos, there is harmony.

死はなく、フォースがある。   There is no death, there is the Force.

エピソード2で徐々に悪化していきますが、悪化の原因は、愛する人を守りたいというアナキンの感情を、ジェダイの道に反すとオビ=ワンが理解してくれないというアナキンの不満です。ジェダイ・コードでは、誰かに愛情を抱いたり、結婚したりするのは禁じられています。しかし、アナキンはパドメという女性に恋をし、オビ=ワンや他のジェダイに内緒で極秘に結婚します。しかし、ある日、アナキンの母親が殺され、パドメが死ぬ夢を見たことでさらにパドメに執着し、彼女を失う恐怖感を感じます。この時からアナキンと師匠であるオビ=ワンとの関係が悪化していき、最終的に彼はオビ=ワンからの信頼を失います。

一方、ジェダイマスターであるヨーダは、ドゥークー伯爵という弟子を持っていましたが、ドゥークー伯爵は後にダークサイドに堕ちてしまうという暗い過去を持っています。そんなヨーダは、エピソード5で弟子のルークにフォースの修行をさせる際、自身の経験から以下の言葉を弟子に残しています。

“Fear is the path to the dark side. Fear leads to anger. Anger leads to hate. Hate leads to suffering.”

「恐れはダークサイドに通じる。恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛へ。」

これを自分に置き換えると、新卒の私はパダワンで、プロジェクトに一緒に参画する先輩社員がマスターです。日々、成果物を作成してはマスターに指摘をいただき、改善しています。なぜこうすべきなのかを、マスターは過去のプロジェクトからの経験を踏まえて、知識・技術として伝授してくれます。マスターとしての先輩方は、すごく頼りになる存在です。

会社に置き換えるとジェダイ・コードは法律や倫理観、社訓、社内規定などのルールです。そういったルールを無視して自分のことを優先すると、会社・上司から信頼を失います。部下がダークサイドに堕ちることはないと思いますが、今後のプロジェクトや社内の人間関係に影響が出ます。アナキンは自分の激情を抑えることができませんでしたが、もし不満・悩みがあるなら自分から上司に相談することが必要でしょう。将来、逆に自分が上司の立場になったら、部下が何か考え込んでいると感じたら、積極的に声を掛けると、溶岩の上でライトセーバーを振り回し合うような、取り返しが付かない状況にならずに済むかもしれません。

期待は大きな失望を生む

オビ=ワンの師匠であるクワイ=ガン・ジンは、小さいアナキンを見つけると「フォースにバランスをもたらす者」と感じ、ヨーダに紹介します。アナキンのジェダイとしての期待はジェダイとして最高のものです。しかし、先ほどのような結果になってしまい、自分の師であるオビ=ワンからの信用を失います。その時のオビ=ワンのアナキンへの失望は計り知れないでしょう。

ただ、私も続3部作(エピソード7、8、9)が発表されると聞いた当時、過度に期待をしてしまい、作品を見た後、あまり満足できませんでした。未だに『他の6作品と比べると…』と思ってしまいますが、やはり過度な期待はするべきではなかったです。

期待を裏切られたと感じた大きな理由としては、完全に色眼鏡で見ていますが、ルーカスが作った作品ではないということです。今までのストーリーで出てこなかった、レーザー銃の弾をフォースで跳ね返したり、脈絡なしにライトセーバーをジェダイ以外で使える人物(ライトセーバーを作る時にフォースが必要)が出てきたりとエピソード1〜6でしていないこと、したら辻褄が合わないことが出てきたのは、STAR WARSファンとしては残念に感じました。また、エピソード1〜6はそれぞれ、ラストで物事が完結して終了します。しかし、エピソード7、8はいかにも、次のエピソードで関係することを暗示するような要素をチラ見せしていました。3部作で一つという意識が見えたのですが、正直あざとさを感じてしまいました。

オビ=ワンが語った言葉を思い出せば、こんな感情にならなったかもしれません。

“You’re going to find that many of the truths we cling to depend greatly on our own point of view.”

「我々が固執する真実の多くは、我々自身の視点に大きく依存するとわかるだろう。」

エピソード4でルークは、オビ=ワンから自分の父親はダースベイダーに殺されたと伝えられます。しかし、エピソード6で真実を知ったルークが、オビ=ワンに対して父のことで嘘をつかれていたと問いただします。オビ=ワンからすると真実を伝えていますが、オビ=ワンとルークの視点では同じ事柄でも捉え方が変わってくるのです。

見る人にも身近に感じられるヒューマンドラマ

STAR WARSの名言集を交えながら、登場人物の人間関係や生き方を紹介していきました。単なるSF映画と思って視聴し始めると、時に心に刺さる言葉があり、考えさせられる映画がSTAR WARSです。新卒として社会に踏み出したばかりの私ですが、これからさまざまな人間関係や生き方について、考えることが増えていくと感じています。学生時代は同じ境遇、同世代の人間ばかりでしたが、社内だけ見てもいろいろな世代・境遇の方が多くいます。名言の中にもありましたが、人によって解釈・考え方はさまざまです。作品内の言動が、読者の方や今の自分に刺さったり、これから刺激になることがあると、いちSTAR WARSファンとしては嬉しいです。

STAR WARSはキャラクターや背景が複雑なので、はまると抜けることが難しくなります。年末年始に何か映画を一気見したい方にはおすすめです。作品はディズニープラスやAmazonプライムビデオなどで視聴できます。映画以外にも「CLONE WARS」というエピソード2と3の間の物語がアニメで描かれたり、小説として作品の前後の物語が綴られたり、宇宙規模の物語構成となっています。ちなみに私は、CLONE WARSの発売されているDVDをすべて持っています。

最後に、STAR WARSの中で一番有名な言葉で締めましょう。Mayは5月、4thはForceという洒落で毎年5月4日は「STAR WARSの日」になっていて、世界中で関連イベントが開催されます。日本では「みどりの日」の祝日ですが、今年の私は仕事が始まって1ヶ月でした。慣れない一人暮らしで部屋を片付けていたら、疲れて何もやる気が起きず、フォースどころではありませんでした。来年の5月は、もう少し成長していたいと願うパダワンです。

それではまた、遙か彼方の銀河系でお会いしましょう。

“May the Force be with you.”

「フォースと共にあらんことを」

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空歩
空歩
父の影響受けすぎエンジニア
ゲームやデータを見ながらスポーツ観戦するのが好き。好きなものはとことん好きになるので、実家でダラダラするときは、アニメやスポーツを見ながら、2種類のゲームをすることがある。好きなスポーツ・音楽・映画・バイクなどは父の影響を受けている。
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